『しかのこ』は瞬発力随一だったが…昨年注目されたアニメに見る“話題維持”の難しさ


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ブシロードのアニメデータインサイトラボは昨年12月31日、2024年から2025年にかけてのアニメ作品について、独自の「話題度偏差値」を用いた分析結果を発表。Googleトレンドの数値をもとに、注目されているアニメ作品をランキング形式で共有した。

分析によると、2024年のアニメ市場では過年度と同様、続編作品が高い注目度を集めた一方で、一部の新作アニメにおいて「放送前から異常に盛り上がった作品」と「放送中に急激にバズを起こした作品」が存在したと分析。特に『マッシュル』は、OPテーマ曲「Bling-Bang-Bang-Born」(Creepy Nuts)のヒットと相まって放送中盤以降に注目度が急上昇し、最終的に偏差値78.9という高評価を達成した。

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一方、新作アニメ『しかのこのこのここしたんたん』は、放送前から SNS を中心に大きな話題を集め、放送前週の時点で偏差値68.3を記録。しかし、実際の放送が始まった後は、話題づくりや追加プロモーション施策が限定的だったためか、終了時の話題ランキングでは圏外となり、初動の勢いを放送後半まで維持できなかったと分析し、その点は前者「マッシュル」との相違があると指摘した。

継続的な盛り上げには話題作りが鍵

そして来る2025年冬アニメにおいて、事前注目度ランキングも公表。結果『Re:ゼロから始める異世界生活』が偏差値77.0を記録し最も高い数値を示した。新作では『SAKAMOTO DAYS』が高い注目を集めており、今後のプロモーション展開次第でさらなる上昇にも期待されている。

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【新作限定】2025年冬アニメ新作40作品のうち上位10作品
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【総合】2025年冬アニメ全57作品のうち上位10作品

調査母体はこの分析結果から、アニメ作品の成功には放送前の盛り上がりだけでなく、放送中期から後期にかけての継続的な話題作りが不可欠だと指摘。具体的には、作品本編の質の高さに加え、適切な楽曲選定やSNSキャンペーン、追加の情報解禁などを小出し、段階的に投入することの重要性を強調した。

なお、本分析で使用された話題度の偏差値は、Googleトレンドの相対的な検索ボリュームをベースに独自の標準化処理を施して算出されており、平均値を50として、60以上を「高い注目度」、70以上を「突出したバズ」と定義している。

1. Re:ゼロから始める異世界生活 3rd season 反撃編(77.0)
2. 薬屋のひとりごと2期(67.7)
3. SAKAMOTO DAYS(58.4)
4. Dr.STONE SCIENCE FUTURE 第4期(58.2)
5. 俺だけレベルアップな件 Season 2 -Arise from the Shadow-(55.4)
6. 地縛少年花子くん2(54.7)
7. BanG Dream! Ave Mujica(52.2)
8. ババンババンバンバンパイア(51.2)
9. 青の祓魔師 終夜篇(49.7)
10. 黒岩メダカに私の可愛いが通じない(49.3)

©Anime Data Insight Lab

著者 編集部 経済・社会担当
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