カドカワ、台湾子会社の設立25周年で重大戦略発表「現地作品拡充」「台湾限定・台湾先行発売」盛り込む
KADOKAWAの海外連結子会社である台湾角川が設立25周年を迎えたことを記念し、今後の戦略に係る重大発表として、「クラシックIPの再現」「新事業の展開」「台湾IPのグローバル化」の3つを重点的に展開することを明らかにした。
台湾角川は海外子会社として、累計出版点数6,000万点以上、自社小説プラットフォーム「KadoKado角角者」の会員数15万人を超える基盤を持ち、従来の出版事業から電子書籍、コンテンツライセンスなど、事業領域を大きく拡大している。
今回発表された具体的な施策には古典文学コミック「KADOKAWA Masterpiece Comics」シリーズの繁体字中国語版導入や、『涼宮ハルヒの劇場』のサイマル発売、人気ウェブマンガ『全知的な読者の視点から』の出版権取得などを発表。さらに、「くじ引き堂」サービスの台湾展開や、ライトノベル読み放題サービス「Kado Plus」の開始も明らかにした。
また、台湾IPのグローバル展開戦略も発表。11作品の海外版権を12カ国に販売し、KADOKAWAグループのネットワークを活用して世界各国へのIP展開を推進する。日台共同開発の「台湾限定・台湾先行」オリジナルコミックの創出や、「あなたが書く、私が描く、日本コミカライズ小説コンテスト」の開催など、クリエイター育成にも力を入れている。
KADOKAWA代表の夏野剛氏は「台湾はグローバル経営において重要な地域」と強調。岩崎剛人台湾角川董事長も「台湾市場は常に日本の翻訳作品を温かく受け入れており、台湾人が創作した現地オリジナル作品を台湾市場に投入することは非常に重要」「台湾IPの展開に興味のある企業や機関が集まってIPメディアミックスチームを結成し、協力いただけることを期待している」と伝え、独自のIPコンテンツ展開を加速させたい考えを示した。