「ニコニコミュニティ」8月5日にサービス終了 サイバー攻撃のシステム消失で再起不能に…ニコ生初期から16年間運営


アイキャッチ画像

KADOKAWAグループのドワンゴは1日、同社が運営する「ニコニコ」関連サービスの一つ「ニコニコミュニティ」を2024年8月5日をもって終了すると発表。一般ユーザーがニコニコ生放送で配信する際などに用いられていたが、サイバー攻撃によるシステムやデータの消失により再開を断念することとなった。

ニコニコミュニティは2008年7月5日に開始されたサービスで、ユーザー同士のコミュニケーションや情報共有の場として、約16年間運営。特に2008年12月からは、ニコニコ生放送の番組をニコニコミュニティを通じて配信できるようになったことで多く使われるようになり、フォロワーのみが視聴できる「コミュ限」配信機能や掲示板機能などが備わっていた。

しかし、2024年6月8日に発生したKADOKAWAグループのデータセンターへのサイバー攻撃により、ニコニコミュニティの復旧に必要なデータとシステムが消失。同サービスは関連する他サービスと比較してシステムの老朽化が目立っていたことも以前よりわかっており、同社は検討の末、サービスの再開は困難と判断し、終了を決定した。

サービス終了に伴い、コミュニティ専用動画は一律非公開となり、再公開は不可能となるほかフォロワー限定番組などの配信機能も廃止される。一方、ニコニコ生放送のユーザー生放送については、先日公表された復旧計画の中で「8月上旬」としていたが、その他サービスと同様に「8月5日」の再開が決定。ニコニコミュニティなしでも利用可能であることが同社より明らかになっている。

また、これに関連して、現在ニコニコミュニティの過去データを何らかの形で閲覧またはユーザーに提供できるよう模索していることも表明している。ただ、サイバー攻撃直前の2024年6月8日までのデータが消失していることは確認されており、どの時点のデータが提供可能か、また具体的にどのようなデータが提供できるかについても調査中だという。

市井

著者 市井
オタク総研 媒体統括。専門領域はアニメ、テクノロジー(ガジェット)、プログラミング、コンテンツビジネス