「YouTubeより便利」サービス停止続くニコニコ動画、魅力“再発見”した利用者「検索機能が神」「広告少ない」
6月8日(土)未明からサイバー攻撃により「ニコニコ」全体でのサービス停止が続いている。10日発表の情報によると「システム再構築」の必要があるとして、16日までの放送予定を見合わせるなど、長期化するなか、これを契機にニコニコが持つ“優れた機能の再発見”に注目が集まっている。
前例なき規模でのニコニコが使えない状況で、普段から動画を見たりコメントを打っていたユーザーからは、YouTubeやTikTokといった他社サービスとの機能性を比較する投稿が多数見受けられ、相次ぎ数万いいねを獲得。各サービスにおける長所、短所が改めて深掘りされていた。
再生中に広告がないのは大きな魅力?
なかでも「検索機能」「広告」の2点においては、YouTubeを圧倒する利便性があるとの意見が多く寄せられている。特に広告について、ニコニコ動画の場合「動画の最初と最後にのみ」動画広告が表示される一方、YouTubeは最初と最後に加え「再生中の任意の位置」に表示されるため、途中で広告に邪魔されないという一目瞭然の魅力がある。
とはいえ、YouTubeは広告収益を直接投稿者が受け取れる仕組みがあり、その報酬額は広告の再生回数に依存することから、挿入位置においては「邪魔」で一蹴できるものではない。しかしながら、スキップ不可能な広告や、動画サイズが毎度変わる仕様は操作性に影響することから、その点ではニコニコ動画は良心的だ。
「みたいものをピンポイントで探せる」ニコ動の検索機能に高評価
そして検索について。両サービスはもちろん検索機能を備えており、見たい動画に関連するキーワードを入れると該当する動画を調べてくれるのは同じであるが、YouTubeとニコニコ動画では検索結果に大きな違いが存在する。
ニコニコ動画の場合、「タグ」と呼ばれる投稿者が関連キーワードを設定できる仕組みが存在し、検索結果にはそのタグに該当するものをリストアップする。通常のキーワード検索もできるが、殆どの動画には手動により的確なタグが付与されているため、見たいものが高確率で見つかる。しかもタグは“投稿者以外だれでも”付与することができるため、検索の質の向上にも繋がり、ユーザー参加型ならではの昨日でもある。
一方、YouTubeではタグ機能は存在しない(厳密にはあるが機能しない)代わりに、独自のレコメンド技術でカバーしている。だが、幅広い検索結果を提供しようとするあまり、曖昧度合いが「極端すぎる」としてしばしば不便に思われているようだ。たとえば「パスタ 〇〇」と検索すると「焼きそば」の動画がヒットしたり、過去の視聴データをもとに「これもオススメ」と全く違う動画を表示したり…と、場合によってはおせっかいとも受け取りかねない。
ただ、動画の視聴体験という観点において、ニコニコ動画には「レコメンドに改善の余地がある」とも云われている。特にトップページのレイアウトについては、サムネイルが小さかったり、運営発信やタグ主導での推薦であることから「暇つぶしには向いてない」との意見も寄せられている。しかし、ニコニコ側もこの問題に前向きに取り組んでおり、本年にはスマホアプリ版「ニコニコ動画」において、トップ画面に表示されるサムネイルサイズが画面横幅いっぱいに拡張するなどの変更も実施。より見やすく、動画の内容が把握しやすくなった。
世界的な競合サービスと比べると、画質等の機能面然り、クリエイターやコンテンツ絶対数然り、規模感の違いからは大きな隔たりがあるものの、今回のサービス停止を受けて、貴重な純国産の動画サイトの魅力を再発見することとなっている。