KADOKAWA、大規模システム障害の続報発表 出版は「受注〜物流機能が停止」判明、ニコ動再開は「1ヶ月以上かかる」見込み
KADOKAWAは14日午後、8日より継続して発生しているグループ内での大規模システム障害に関する続報を発表し、同社の各事業における影響と今後の対応を説明した。
KADOKAWAでは6月8日(土)未明より「ニコニコ」をはじめとするグループ内の多数のサービスにおいて「大規模サイバー攻撃」によるシステム障害が発生しており、被害拡散を防ぐためデータセンター内サーバーの機能を停止したことが10日の発表で報告されていた。
そして14日の続報では、この影響が顧客向けサービスにとどまらず「事業活動や経理機能を管理する基幹システムの一部」にも波及していることが判明。各事業における影響は以下の通りとなっている。
■出版事業
・国内における紙書籍の受注システム、デジタル製造工場・物流システムの機能を停止
→「受注停止、生産量の減少と物流の遅延に伴い、出荷数量が減少しております。」
・国内の紙書籍や電子書籍の編集・制作支援システムの一部機能が停止
→「一部新刊(紙書籍・電子書籍)の刊行や重版制作が遅延することが見込まれます。」
■Webサービス事業
・「ニコニコ動画」「ニコニコ生放送」「ニコニコチャンネル」などのニコニコファミリーのサービス全般が停止
ニコニコアカウントによる外部サービスへのログインが不可能
→「安全な環境下でシステムを再構築する必要があり、正確な復旧時期は被害状況の調査結果次第ですが、1か月以上かかる見込みであり、再開できるサービスから順次再開していく予定です」
→「簡易機能版『ニコニコ動画(Re:仮)』を臨時提供」
■MD(マーチャンダイジング)
・運営する複数のオンラインショップにおいて、商品の受注不能や出荷の一部遅延が発生
■バックオフィス(経理)
・経理システムにもその影響が及び、一時的に決済システムが機能停止状態
・一部の取引先への支払いに遅延が生じる可能性
なお、本件における各事業での業績の影響については「現時点では不明」としており、同社IRへの一定の影響が見込まれる。また、同日には同社CEOを務める夏野剛氏からグループ全体での説明が、ドワンゴ取締役COOを務める栗田穣崇氏からニコニコ関連での説明がそれぞれビデオメッセージにて公開されている。