【Intel比較】AMDが22年4月に投入した低価格デスクトップCPU6製品一覧


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AMDが3月後半に発表し、4月4日に投入した新しいデスクトップ向けCPU6製品を紹介する。
その他にも今回発売された製品と昨年発売された高コスパIntel製CPUを比較するセクションもあるので是非参考にしてほしい。

6製品比較表

まずは簡潔に性能を比較できるよう、表にしてまとめた。

製品名 価格(USドル) アーキテクチャ コア・スレッド数 ベース/ブースト周波数(GHz) TDP(W) PCIE規格 最大キャッシュ(MB) 付属クーラー
Ryzen 7 5700X $299 Zen 3 8C16T 3.4GHz/4.6GHz 65W Gen 4 36 なし
Ryzen 5 5600 $199 6C12T 3.5GHz/4.4GHz 35 Wraith Stealth
Ryzen 5 5500 $159 6C12T 3.6GHz/4.2GHz Gen 3 19
Ryzen 5 4600G with  Radeon graphics $154 Zen 2 3.7GHz/4.2GHz 11
Ryzen 5 4500 $129 6C12T 3.6GHz/4.1GHz 11
Ryzen 3 4100 $99 4C8T 3.8GHz/4.0GHz 6

次項にて簡単な解説とともに説明する。

Intelに斡旋された低価格帯を充当

急激なAMDシェア低下に対する対応

今回の投入製品ラインナップを見て頂ければ分かる通り一番高くて300ドルと低価格帯に重点を置いていることが分かるだろう。(現在は急速な円安のため300ドル=3万7千円ほど)

低価格帯の投入の主な要因としてはIntelのシェア急増による相対的なシェア低下が考えられる。

TDPは全て65W・一部PCIe 4に対応

電力関連・IO関連仕様について述べる。

消費電力はすべての製品で65Wとなっており、発表された最上位機種のRyzen 7 5700Xは8コア16スレッド。8C16Tで65Wは比較的電力効率は良い。
その他にも上位機種には最新規格PCIe 4.0に対応しており3.0より更に高速なデータ通信が行える。

今回発表されたRyzen 7を除く、全てのRyzen 5・Ryzen 3デスクトップ・プロセッサーには、AMD Wraith Stealthクーラーが付属している。

パーツ換装には最適の製品?

なお、AMDのCPUは基本的にグラフィック機能は搭載していないため4600G以外は全てグラフィックボードが必須となる。

昨今の半導体事情を鑑みると新たにパソコンを組むのであれば費用がかさむ覚悟は必要であるが、低価格帯が充実することでIntel以外の選択肢として十分有用であろう。

疑似製品対決!Ryzen5 5600 vs Core-i5 12400F

最後に今回紹介した製品の中で、昨年価格崩壊と話題となった「Intel Core-i5 12400F」と同程度の製品「Ryzen5 5600」を比較する。

仕様は似ているが僅かに12400Fが高性能

以下に上記2製品を比較して表に示した。

Ryzen5 5600 Core-i5 12400F
価格 199ドル 189ドル
アーキテクチャ Zen 3 Alder Lake S
C/T 6コア12スレッド
クロック周波数 3.50GHz 2.50GHz
TDP 65W
オーバークロック
プロセルルール 7nm 10nm
GPU 非内蔵
対応メモリ規格 DDR4 DDR4/DDR5
L2 キャッシュ 3.0 MB 7.5 MB
L3 キャッシュ 32.0 MB 18.0 MB

RyzenはOC対応だが性能は…

上記比較表を見れば分かる通り非常に2製品は似通っているがどちらが高性能なのか。すでにCPU性能を比較されているベンチマーク結果がCPU Monkeyにて公表されているので見て頂きたい。

他者の画像のため掲載はできないが、概ねCore-i5 12400Fが1割ほどRyzen5 5600より優れている事が分かる。

Intel Eコアのような機構は無し

昨年Intelから発売した第12世代Core-iシリーズは消費電力の多いPコアと少ないEコアの2種類を搭載しているという大きな特徴があり競合するAMD製CPUよりも高い性能を発揮していると報告されている。

今回投入されたAMD製CPUにはそのような分離した機能は持っていない。そのため今回、Intelの強みがCPU Monkeyの調査結果で数値として出たのだろう。

昨年末のRyzen5 5600Xは4万円程度だったため、当時よりかは状況は改善しているがそれでも価格が僅かに安いRyzenのほうが性能が低い。新しいPCを組む際はまだまだIntelを購入する方が英断であると思われる。

つまり、新たにパソコンを組むというよりかはAMDの特徴である「CPUソケットの更新が少ない」利点を生かしてRyzen 2000番台の比較的古いCPUからの換装にも良いのではないか。

Photo by Olivier Colle

▼データソース
https://www.amd.com/en/press-releases/2022-03-15-amd-launches-the-ultimate-gaming-processor-brings-enthusiast-performance

市井

著者 市井
オタク総研媒体統括 兼 合同会社サブカル通信社執行役社長。専門領域はアニメ、テクノロジー(ガジェット)、プログラミング、コンテンツビジネス。PRプランニングやIP調達なども担当しています。新作アニメ、海外スマホ、東南アジア好き。