ソニーが「PSVR2」向けタイトルの自社開発を縮小と海外報道 今夏の“PC接続対応”にも注目
コンソールゲーム機「PlayStation 5」専用のVRゲーム機器「PlayStation VR2(PSVR2)」をめぐり、発売元のソニー・インタラクティブ・エンターテインメントは同デバイス向けタイトルの自社開発における投資を縮小する可能性があると海外媒体が伝えている。
Android Centralは21日に「ソニーがVRゲームへの資金提供を大幅に削減している」との情報や、現在の開発パイプランは2本進行しているといった報告が複数の情報筋から寄せられたと報告。一部は匿名であるとしているため、あくまで噂程度での認識が望ましい。
しかし、本年2月には同社が「全社員の約8%にあたる約900名の人員削減に着手した」ことと発表、自社開発スタジオのPlayStation Studiosも人員整理の対象となり、ロンドンのゲームスタジオについては解散するとしていた。こうしたファーストパーティ(自社開発)での展開に不安が広がるなか、前出の報告に対する懸念が寄せられた。
PSVR2は2023年2月に発売された「PlayStation 5」専用のヘッドマウントディスプレイ。約5年前(当時)に発売された「PSVR」の後継モデルとして格段の性能向上が見られ、ディスプレイは4倍の解像度を持つ2000×2040ピクセル有機ELを採用したほか、振動を用いた感覚提示といった新機能も備えており、より臨場感あるゲーム体験を可能にした。
PS5専用は時期尚早だったか…PC接続対応で広がるユースケースに期待
しかし、初代「PSVR」ほどのインパクトが顧客からは得られなかったのか、販売状況としては当初の計画に未達であるとの報告も行われているなど、その先行きを不安視する声もあるのが現状。加えて、発売当時でも入手困難だった「PS5」専用機器という点もその要因にあると云われている。
一方、今後のPSVR2をめぐっては良い方向にも動いているといい、今夏には「PC接続対応」という新たな魅力も生まれる。同社は6月初頭にPSVR2専用アクセサリ「PlayStation VR2 PCアダプター」を発表し、8,480円にて8月7日(水)に発売予定だと明らかにした。
本アダプターを利用することで、PCゲームプラットフォーム「Steam」上で提供されるVRゲームがPSVR2でプレイできるようになるといい、現時点で発表されているプレイ可能なタイトルには『Half-Life:Alyx』『Fallout 4 VR』などが含まれている。
なお、PC側での一定のマシンスペックが求められる点や、HDR・視線トラッキング・触覚フィードバックなどの一部主要機能は利用できないという成約には留意したい。今後のVR向けタイトルの展開が懸念されるなか、ある意味“コンテンツを外部に委ねる”ことで、既存の利用者や新規顧客に多様な使い方を提供する狙いが見られる。