ブシロード、現行運営のスマホゲームに黄信号か 運営体制を見直しへ、コンソール展開も顕著
ブシロードが5月中頃に発表した最新の決算資料によると、今後のゲーム展開において、スマートフォン向けアプリゲームの運営体制見直しを進めていることを今後の展開として盛り込んだ。
5月14日に公開された2024年6月期第3四半期(’24年1〜3月)の発表によると、ゲーム運営や開発などを行うデジタルコンテンツユニットにおいて、3四半期累計での損失が約20億円にのぼったことを報告。モバイルゲーム展開に引き続く不調や、コンソールゲームの発売を念頭においた研究開発費の先行計上などが影響したと説明した。
四半期別での詳細な損失額については未開示ではあるものの、1Q→2Qは微増、その後の2Q→3Qは推定20%程度の縮小が見られており、今後は「ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル2」と『クレヨンしんちゃん』関連2タイトルの計3アプリのサービスを終了したことで、以降の赤字幅は縮小する見込みとしている。
また、今後についてはユニット内の中期的な事業改善の一環として、前期(2023年6月期)以降に収益性が大きく悪化したモバイル ゲームについて「赤字縮小のため運営タイトル・体制の見直しを進めております。」と説明した。体制の見直しを進めているとしつつも、具体的なタイトルは明示しておらず、プレイヤーの間では不安が募っている。
現在、モバイルゲームは自社IPから「バンドリ!ガールズバンドパーティ!」「D4DJ Groovy Mix」「少女☆歌劇レヴュースタァライト -Re LIVE-」「アルゴナビス -キミが見たステージへ-」の4タイトル、他社IPから「新テニスの王子様 RisingBeat」の1タイトルをそれぞれ運用中で、開発中タイトルは現時点で1タイトルとなっている。
コンソールタイトルを“年10本ペース”で発表
一方のコンソールタイトル開発については、同社が昨年夏季に設立した新ゲームブランド「ブシロードゲームズ」にて積極的に展開中。ブシロードゲームズとは、モバイルゲームブランドだった「ブシモ」を統合・リブランディングした形で発足しており、今年上半期だけでも『ゴブリンスレイヤー』『マクロス』『無職転生』などの人気アニメIPを活用した新作タイトルを発表しているほか、インディーゲームスタジオとのコラボ作品として「Gift」を発売した。
コンソールタイトルの現況については、多数の作品を同時展開する都合で開発費等が発売に先行して損失に計上されているといい、今後は開発本数とのバランスを取りつつ安定した利益化を図ると述べている。また、今後のラインナップとしては『少女☆歌劇レヴュースタァライト』『ラブライブ!』をはじめとしたIPコラボのビジュアルノベルからオリジナルまで、計8タイトルの展開が控えており、コンソールゲームへの注力が顕著に伺える。