「テレ東」アニメ&配信事業が成長、全利益の6割占め最高益水準 低調のCMに反し『SPY×FAMILI』『岸辺露伴』多面展開


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本年4月に開局60周年を迎えた地上波局「テレ東」を運営するテレビ東京ホールディングスが15日に公表した本決算の発表資料によると、2023年度の営業利益は前年比微減となったものの歴代2位を、純利益では過去最高益と堅調な伸びを見せていたことがわかった。

主な成長要因としては、同社が展開に注力している「アニメ・配信事業」の成長が大きく貢献したといい、軟調に推移する「地上波・BS放送事業」のスポットCM収入減などをカバーした。営業利益の内訳としては、放送事業が36.75億円となった一方、配信事業が前年度比12.1%増加し59.62億円にのぼり、後者が全体の6割程度を占める構造となっている。

アニメ・配信事業のうちアニメ関連では、同年度にTVアニメ 「SPY×FAMILY」第2期や、新たなストーリーが展開されることとなったアニメ「ポケットモンスター」を放送。これら関与タイトルのロイヤリティ収入が国内外で伸長したほか、主力タイトルである「NARUTO」も欧米で順調な成長を見せていると説明した。

特にライツ分野は全体の80%以上を国外が占めており、タイトル別の貢献ランキングは一位から順に「NARUTO」「BORUTO」「遊戯王」「ポケットモンスター」「BLEACH」であることも明らかに。また、ドラマや映画が含まれる配信関連としては、同年度に 「きのう何食べた?season2」「孤独のグルメ」シリーズや映画「岸辺露伴 ルーヴルへ行く」などを展開し、こちらも好調となった。

また、同社は本決算にあわせて2026年度に向けた中期経営計画も公表。大目標として「アニメ・経済報道・独自IP事業の強化でさらなる成長」を掲げたほか、アニメ分野では「北米・アジア・中東を重点開拓」「有力作品の権利獲得、制作・放送・配信、商品化・ゲーム化の好循環で事業拡大」「IP事業を国際的に展開する『グローバルIP企業』へと進化」を設定。

制作力強化についても、コンテンツ制作費を3年間で139億円積み増しした上で、テレ東BIZ等の独自報道や「テレ東らしさ」を押し出すことでコンテンツ価値を高めたい意向を示している。

オタク総研編集部

著者 オタク総研編集部
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