テレビ朝日、アニメ枠増設に向けて調整中 『僕ヤバ』では海外販売で最高成績「ユーリ!!!」に続くIP創出にも意欲的
在京キー局のテレビ朝日を擁するテレビ朝日ホールディングスは15日、先日発表した2024年3月期本決算の説明会資料を公表。今後の各事業での展開について、新規領域開拓の一環として「アニメ枠を増設する方向で作業中」との文言を盛り込んだ。
同社は昨年3月2日に発表した新経営計画「2023-2025」内で、事業戦略として「コンテンツを活用した新たなビジネス領域に果敢に挑戦する(アニメ・ゲーム、メタバースなど)」を掲げており、その具体的な進捗としてアニメ枠を増設する予定だという。
現在、テレ朝系では毎週土曜日深夜にテレビ朝日(在京)が「NUMAnimation」を、朝日放送(在阪)は「ANIMAZING!!!」をそれぞれ設定しており、前者では直近に劇場公開も行った『ブルーロック』のTVアニメをはじめ、多数の人気原作アニメを放送。今後の増設により、今まで以上に深夜帯のアニメ作品の同時展開が可能になる見通し。
NUMAnimationの近況としては、秋田書店「マンガクロス」原作のアニメ『僕の心のヤバイやつ』より、第2期が1月〜3月に放送。テレビ朝日が製作委員会の幹事を務めるほか、制作をグループ会社のシンエイ動画が担当するなど、深い関わりがある本作だが、海外販売において昨年の第1期に続き「(窓口権獲得作品として)NUMAnimation枠史上最高契約額を記録」したと報告していた。
中期計画では「国民的アニメ(『ドラえもん』『クレヨンしんちゃん』)を基盤に新しい取り組みを促進」として、「『ユーリ!!!on ICE』に続く、オリジナルヒットIPを開発」「 大きなヒットが見込める、有力原作のアニメ化権を獲得」という2つの目標を掲げており、前者については昨年4月に電子書籍サービス「BookLive」運営会社を持分法適用関連会社化。目的に「アニメ・実写化を目的としたオリジナルコンテンツの共同制作および二次利用展開に関する協業体制の構築」と明記するなど、目標達成に向けた動きもみられている。