バンダイナムコ、ゲーム事業の大幅減益で“トイホビー”の力強さ顕著に 新作公開の『ガンダム』やトレカ好調が後押し、売上高1兆円突破


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バンダイナムコホールディングスが9日に発表した2024年3月期(’23年4月〜’24年3月)の決算によると、通期売上高が過去最高となる1兆502億円を記録し、初めて1兆円の大台を突破したことがわかった。

前期比でも売上高は6.1%の堅調な増加となった一方で、営業利益は907億円と22.1%の減少に。二桁減収の要因としては、家庭用ゲームタイトルなどを手掛ける「デジタル事業」が87.3%の大幅減となったことが挙げられる。

家庭用ゲームでは新作タイトル「ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON」「鉄拳8」等が人気を得たとしつつも、過年度にリピート販売が大ヒットを記録した「ELDEN RING」の反動や、当期にリリースしたオンラインゲームタイトルが計画を大幅に下回ったこと等による評価損計上、次期中期計画を見据えタイトル編成の見直しによる処分損計上などが嵩んだとしている。

また、直近の各事業別での構成比推移を見てみると「トイホビー事業」が安定的に推移していることがわかり、当期の収益は32.1%増の786億円に。全社営利の8割を占めており、収益獲得の大きな柱になっていることがうかがえる。同事業はグループブランドのBANDAIやBANDAI SPIRITSが主に手掛けており、昨今の原材料価格の高騰などの影響を受けたものの「好調カテゴリーの商品ラインナップやグローバル展開の拡大、生産体制の強化、リアルイベントや店舗によるタッチポイント拡大等」を図った戦略が奏功し、増益となったとした。

特に主力IPである「ガンダム」シリーズのプラモデルやコレクターズフィギュア、キャラクターくじ等のハイターゲット層向けの商品が伸長したと述べていたほか、トレーディングカードゲームでは「ONE PIECE」の商材が、その他カプセルトイ、菓子・食品等が貢献しているという。

なお、ガンダムシリーズとしては本年1月に新作劇場版『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』を公開し、シリーズ劇場公開作品の中で過去最高記録の興行成績を更新するなど大ヒットとなったが、2025年期以降への業績反映となるため、映像展開などを内包するIPプロデュース事業は前期比横ばいになった。

オタク総研編集部

著者 オタク総研編集部
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