プライム・ビデオ、米国などで“商品広告”を新たに導入へ 一時停止中に商品をオススメする仕様か
Amazonは7日、同社が運営する動画配信サービス「プライム・ビデオ」内で新たに商品広告の掲載を行う予定であることを明かした。日本国外の一部地域を対象に、今月中旬より配信を開始するという。
同社広告プラットフォーム「Amazon ads」の公式ブログを通じて、14日より実施するビジネスイベントを前に発表された内容によると、今後は「プライム・ビデオ」内の動画視聴ページや生放送ページにて、Amazonに出品されている商品に関する広告が掲載できるうになり、広告は全3つのフォーマットで展開される予定だという。
「カルーセル広告」では、広告として配信された商品の詳細を横スクロールでチェックできるほか、ユーザーが映像の一時停止を行った際には「一時停止広告」が表示され、半透明で商品画像やテキスト、「カートに追加」や「詳細」といったボタンが表示されるようになると明かしている。なお、これらはスマホアプリのみならず、テレビデバイスにも適応されるとのこと。
今回の商品広告はユーザーが操作できる“インタラクティブ広告”に分類される広告形態であるが、一般的な動画広告は既に一部地域にて配信が始まっている。例えば米国、英国、ドイツ、カナダなどの欧米地域では本年1月より、プライム・ビデオ内での動画広告の配信を開始、フランス、イタリア、スペイン、メキシコ、オーストラリアでも順次導入を開始することも発表されていた。同時に、プライム会員向けに月額2.99ドルで「広告非表示」になる有料オプションの提供を開始しており、視聴者は広告を見るか、3ドル払うかの選択を強いられていた。
SVOD(動画見放題サービス)に広告配信を導入する取り組みは競合間の競争激化に伴い、多数のプラットフォームで採用されており、Netflixでは日本国内でも月額700円で契約可能な「広告つきプラン」も提供し、会員数を伸ばしている状況にある。こうした中で、Amazon側は「魅力的なコンテンツへの投資を継続し、2024 年初めから長期にわたって投資を増やし続けるため」として広告配信に理解を求めていたほか、今回の商品広告はECサービスを本業で運営する同社ならではの取り組みとも言えそうだ。
なお、日本国内での動画広告や商品広告の展開は現時点では発表されていない。