Amazonプライムデーに蔓延る「悪質な見せかけ値引き」を見抜く、後悔しないツール活用術
いよいよ本日7月11日(火)よりAmazon.co.jpの年に一度の大規模セール「Amazonプライムデー」がスタート。日用品から飲食物、ファッションやデジタル家電まで幅広いジャンルの人気商品の数々が特価で購入できるだけあって、ついつい買いすぎてしまう人も多いだろう。
しかし、多数の商品が同時に割引価格で販売されているため、中にはほとんど”詐欺”とも言えるような「見せかけ値引き」を行っている悪質な業者が蔓延る時期でもある。そこで、こうした製品の特徴やそれらを見抜き後悔しない買い物術をご紹介する。
プライムデーに蔓延る見せかけ値引き
本稿における「見せかけ値引き」とはいわゆる、プライムデーのような大規模セールイベントの開催直前に値上げを行い、セールが始まると値下げをすることで擬似的に割引価格を作り出すという手法。
例えば7月11日から始まるセールに備えて7月初頭に40%ほど価格を釣り上げたあと、7月10日頃に元の価格に戻すことでセール開始時には「40%割引」と称して販売する商品がちらほら見られるのだ。
このような手口を行う業者は昔から絶えず、メジャーな手法であったためか ここ最近は「見せかけ値引き」は極端に減っている印象がある。しかしながら、特に知名度の低い海外ブランドや”怪しい”感があるノーブランド品などには依然として散見される。
価格トラッキングツールで安値を狙え
そこで、すでに存じ上げている方にとっては「ベタだな」と思われるかもしれないが、これらの手口を暴くAmazonの商品価格トラッキングツール「Keepa」を紹介する。
KeepaはAmazonに掲載されている大量の商品情報を随時調査し、価格データなどを定期的に蓄積するトラッキングツールで、これを利用することで最適な「買い時」を見つけることができる。使い方は非常に簡単で、Keepaトップページにアクセスして検索バーに該当する商品のURLやキーワードを入力するだけ。
商品ページには中央に大きく価格推移を表示したグラフが掲載されており、商品によっては凡例が複雑だが「新品」「中古」「タイムセール」の3つの価格推移を抑えておくだけで十分だ。
ではここで本題である「見せかけ値引き」について、行っている商品のグラフと通常のセール価格になっている商品のグラフとを見比べてみよう。その差は一目瞭然で、前者は月に一度程度のセール開催前に不自然な価格推移が見られ、今回のプライムデーの直前には「1,80円」に釣り上げられていることがわかる。
▼上段:価格を吊り上げる例・下段:適正なブランド商品
実際に 当該商品のAmazon.co.jpのページを見てみると、直前に一瞬値上げした1,580円が”通常価格”扱いになっており、その価格からの35%割引が行われていると誤認しかねない。
一方で後者の有名ブランドの名を冠した製品を見てみると、直近数ヶ月で明らかに不自然な価格変動は見られず、適正なセールが行われていることがうかがえる。
ちなみに、Keepaのような価格トラッキングツールがメジャーになるにつれ、「見せかけ値引き」を事前に察知する利用者が増えたからか、対策を始める業者が増え始めており、直近では「クーポン商法」と呼ばれる手法を利用してKeepaで判別できないようにする例も見つかっている。この場合は為す術もないため注意が必要だ。
Chrome拡張機能は必携
このように一発で適正かどうかを把握することが可能なKeepaだが、Webサイト以外にもスマートフォンアプリやChrome拡張機能など様々なプラットフォームで提供されており、特にChrome拡張機能Chrome拡張機能では導入すると、今見ているAmazonの商品ページの価格推移を画面を切り替えることなく調査することができ、より有用だ。
特に高額商品を買う際はあとから気づいて後悔しないためにもぜひ積極的にこのようなAmazon関連ツールの利用も検討してほしい。(編集部=寺田)