売れ筋上位にも…Amazonで「代引き詐欺」報告相次ぐ:詐欺可能性の高い業者の特徴とは?
ここ数日、Twitterを中心にAmazonでのショッピングをめぐる「代引きでの高額請求」の詐欺被害・詐欺未遂の報告が相次いでいる。
具体的には「Amazon.co.jp(以降「Amazon」)にてカード決済で商品を購入→出品者都合で代引きに変更→後日別の商品が代引きにて到着」という内容で、1万円以上の高額な代引き請求が行われたとの報告も見られた。このような手口は以前からたびたび報告されており、いずれもAmazonが第三者の出品商品の売買を仲介するシステム「マーケットプレイス」を通じて発生することで知られていた。
しかし、Twitterや有識者によると直近でこの「代引き詐欺」被害の報告が急増しているといい、先日には注文していないアダルトグッズが代引きで届いたという報告がTwitterや各まとめサービスで話題に。そして、今日5月21日(日)には、「代引き詐欺」である可能性が高い商品がAmazonの売れ筋ランキングの2位に一時ランクインしたという報告も見られた。
▶️kakuyasu_sim_jp@さんのツイート
これらの相次ぐ報告に対し、モバイル周辺機器大手のAnker Japanは19日に「Amazonで出品している弊社イヤホン等において、Ankerとは関係ない出品者による代引き詐欺が複数確認されております。」とコメントし、出品元が「AnkerDirect」であることを確認するよう呼びかけていた。
【注意喚起】Amazonで出品している弊社イヤホン等において、Ankerとは関係ない出品者による代引き詐欺が複数確認されております。Amazonにて弊社公式よりご購入いただく場合は、販売元が「AnkerDirect」であることをご確認ください。 pic.twitter.com/DzLsdkNnsP
— Anker Japan (@Anker_JP) May 19, 2023
出品者に見られた共通の特徴
この「代引き詐欺」について、実際に編集部内でもAmazonを調査してみるとものの10分も経たないうちにメモリーカードや各種イヤホンにて怪しい出品を複数確認できた。加えて、対象業者はスポンサーとして広告出稿を行なっている例もあり、検索トップに詐欺可能性の高い商品が表示されることも。
これらの出品商品の特徴を見てみると、以下のような共通点が見られた。
- 明らかに市場想定価格を大きく下回る安さ or 20%程度の割引
→18%OFFなど - マーケットプレイス出品かつ、販売元が「新規出品者」
- 特定商取引法に基づく販売者表記が中国等の海外
→調査では「日本正規代理店」と名乗っているのに、住所は中国内陸部のアパート - 通常3〜4日以内に配送(=Amazon Prime配送の対象ではない)
- ブランド名が「ノーブランド」もしくは正規ブランドと誤認させるような表記(例:Transcend→トランセンド)
これらの特徴を満たしている出品者から購入すると、前述のような「代引き詐欺」に遭う可能性が高くなることはもちろん、マーケットプレイスでの取引は直接発送になる仕組み上、購入者の住所や名前が出品者に通知されるため実際に請求被害に遭わずとも「詐欺リスト」として個人情報の売買リスクも避けられない。
Prime対象商品を買う、が無難?
ではどのようにそれらの詐欺被害から身を守るかについてだが、最も確実な方法だと「Prime表記のある商品を購入する」ことと「発送元がAmazonの商品を購入する」ことが挙げられる。
Prime表記とはAmazonの有料会員が配送特典を受けられる「Amazon Prime」の対象商品であることを示すももで、Amazon公式もしくはAmazonが指定した品質基準を満たすストアが出品する商品に付与されている。加えて商品ページに「Amazonによる発送」というマークのある商品はAmazon保有の倉庫から発送されるため、確実に商品発送が保障されている。(正式名称:FBA(Fulfillment By Amazon)制度)
上記で紹介した例はあくまで「確実に防ぐ」方法であり、Prime表記がないからといって全て「代引き詐欺」に遭う可能性が高いという訳ではない。しかし、ネットショッピングの知識に疎い方や高齢の方は上記の方法を参考にしていただきたい。