Xが”実名晒し”をプライバシーの侵害行為として明記 削除申し立てが可能に…ポリシー改訂には複雑な事情か
短文投稿SNSのXは直近、サービス内で適用される「Private Content」に関するポリシー内容の一部を改訂。非実名アカウントに対して第三者が実名を公開する、いわゆる”晒し行為”を禁止とする文言を追加したことが明らかになった。
Xではこれまでにも「他人の個人情報を暴露するよう脅迫したり、本人の許可なしに他人の個人情報を投稿したりすることはできません」とポリシーにて定められていたものの、対象となる個人情報は「自宅住所」「身分証明書」「非公開の電話番号」「金融口座情報」「生体情報」などが挙げられており、個人名に関する明確な規定はなかった。
改訂は今月21日~22日にかけて行われており、文章内「You cannot share the following types of private information(中略)」の部分に「匿名ユーザーの名前またはメディアなど、匿名ユーザーの身元(the identity of an anonymous user, such as their name or media depicting them」が追記された形での変更となった。
この改訂をめぐり、理由は諸説あるものの、海外ユーザーの間では「匿名で活動していたネオナチ(新ナチス主義者)の漫画家が『身元情報を複数のジャーナリストにより無許可に公表された』とイーロン・マスクに訴えかけたこと」が大きく影響しているとされている。Xはこの訴えを受け取った後、本名などが記載された投稿を削除したことから「ポリシーとの整合性が取れていない」との批判が寄せられ、根本の対策として今回の改訂に至ったのではとの意見が目立っていた。
今後、”晒し”に類されるような行為の被害に遭った場合、個人名のみであっても、X社にその旨を本人が報告することで対象の投稿を削除できるといい、日本国内でも「本名晒し」や「素顔晒し」といった被害に悩んでいるユーザーやインフルエンサーにとっては”朗報”とする声が見られた。