ASUSから“どっちも画面”のノートパソコン登場 デスクトップPCにもなる?5つの使い方をレポート


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ASUS JAPANは3月4日(月)に同社のノートパソコンブランド「Zenbook」の最新ラインナップを発表し、14インチ有機ELディスプレイが2枚搭載された「Zenbook DUO」の発売を予告した。今回はそんな“変わり者”の本製品を先んじて開催された発表会にて体験してきた。

Zenbook DUO(品番:UX8406MA)はデュアルディスプレイを搭載しながらも薄さ19.9mm、軽さ約1.65kgと薄型軽量を実現した全く新しい革新的なノートパソコンとして3月13日(火)に349,800円にて発売を予定している。

ます注目すべき点はもちろん、画面が通常のノートパソコンに比べて一枚多く、本来キーボードを設置するスペースにも存在するということ。いずれの画面もリフレッシュレート120Hzに対応した3K有機ELディスプレイを採用することで高品質の映像体験が可能なほか、タッチ操作にも対応しており、付属のスタイラスペン「ASUS Pen 2.0」と併用することでクリエイティブ用途にも○。

ここて気になるは「なぜ画面2枚?」「真新しい以外に魅力あるの?」という点だろうが、ASUS側はZenbook DUOを展開する上で5つの目的に応じたモードを同機に搭載することで、多様なユースケースに耐用する。第一の「ノートPCモード」は本製品の付属品である、Bluetoothキーボードをセカンドディスプレイ上に配置するモードで、従来のノートPCと変わらない操作感が可能、2つ目の「ノートPCモード(バーチャルキーボード)」はセカンドディスプレイ上にキー入力機能を置くことは先程と同様だが、物理的なキーボードではなく画面に投影したキーボードをタッチして入力する。

上記2つはごくごく普通のノートパソコンの姿ではあるものの、3つ目の「デュアルスクリーンモード」は底面についているキックスタンドを開くことで、2つのディスプレイを縦に並べてフル活用が可能に。ノートPCではありえないほど大きな作業領域を確保できるため、出先や旅先でも複数のウィンドウを開いてのマルチタスクも快適に行うことができる。次ぐ「デスクトップモード」は先程の“横バージョン”のような感覚で、キックスタンドを最大まで開くと19.8インチのデスクトップPCのような環境に早変わり。

この2つのモードはZenbook DUOならではと言え、圧倒的な作業効率の向上が図れる一方、不特定多数の人が行き来するスペースではとんでもないほど目立つ上、作業の内容が丸見えなので使い方には注意したい。

そして最後の「共有モード」ではヒンジを180度開くことで、対面の人に対して画面表示を回転させ表示させることができるモードで、情報共有がスムーズに行えることを魅力としている。

そんな様々な使い方ができそうなZenbook DUOだが、スペック面についても触れたい。CPUには最新のインテルCore Ultra 9プロセッサーを、GPUにはインテル Arc グラフィックス(オンボード)を、RAMにはLPDDR5 32GBをそれぞれ搭載しており、モバイルノートパソコンとしては最高程度のスペックを有する(価格を考えれば妥当)ため、軽めのゲームやコンテンツ制作にも対応する。また、インターフェース面でも給電対応Thunderbolt 4(Type-C)×2、USB3.2(Type-A/Gen1)×1、HDMIと潤沢に備わっている。

画面が2枚であることを除けばごく普通の高性能ノートパソコンな一方で、特性のせいかバッテリーの駆動時間は約7.9時間とやや短め。重量も1.65kgとMacBook Pro程度と重めではあるが、画面2枚という点を加味するとかなりの頑張りがうかがえる。

なお、ASUSはZenbook DUOを発表する以前にも両面がディスプレイのノートパソコンを2018年より施策を繰り返していることをアピールしており、過去には折りたたみスマホを進化させた折りたたみノートPC(当たり前?)の「Zenbook 17 Fold OLED」や、トラックパッドに画面を搭載した「Zenbook Pro 15」などを世に送り出したものの、50万円を超える価格やそれに見合う使途を見つけ出せていなかったからか、ASUS側も表立ったPRは見受けられなかった。しかし、Zenbook DUOではスタイラスペン対応を初めて行うなど、より洗練された印章にあるほか、発表会では5年に及ぶ歴史を展示ボードを用いて紹介するほどの気合いの入れようがうかかえた。

しかし、価格が価格だけに多くの人におすすめできるかと言えばそうではなく、新しいモノ好きや作業効率を極限まで最大化したいユーザーにターゲットは限定されているように思える。変わり者の皆さんはぜひチェックしてほしい。

市井

著者 市井
オタク総研媒体統括 兼 合同会社サブカル通信社執行役社長。専門領域はアニメ、テクノロジー(ガジェット)、プログラミング、コンテンツビジネス。PRプランニングやIP調達なども担当しています。新作アニメ、海外スマホ、東南アジア好き。