Craft Egg解散撤退の「ガルパ」、サービス終了発表の「スクフェス2」音ゲー界激動の1ヶ月…今後のブシロードの方針は


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直近数ヶ月の間、スマートフォン向けリズムゲーム「バンドリ!ガールズバンドパーティ!(ガルパ)」を巡る”心配事”が注目を集め、プレイヤーの間で取り沙汰されている。

タイトルコール「クラフトエッグ!」とはお別れに

「ガルパ」は2017年にサービスを開始したスマートフォン向けリズム&アドベンチャーゲーム。2015年より先行して展開していたブシロードのメディアミックスプロジェクト「BanG Dream!(バンドリ!)」のゲーム化作品としてリリースされて以降、J-POPやボカロといったカバー楽曲をオリジナルキャラクターによるカバー音楽ともに遊べることでたちまち話題に。同時期に放送されていたアニメ作品とともに、バンドリ!人気を確固たるものにした。

サービス開始当初の「ガルパ」タイトル画面(Ver.1.13)

そんなバンドリ!の成長をリリース当時より支えてきた「ガルパ」の運営元であるCraft Eggが昨年12月、同タイトルの運営から撤退すること、プロジェクトを統括するブシロードが以後単独で運営を行うことが発表された。

運営側はこの対応を「移管」として1月4日に実施する予定だったものの、諸般の都合で一度延期に。同月17日、ゲーム運営がゲーム内規約文書内に記載されていた「株式会社Craft Egg」に関連する部分を「株式会社ブシロード」へと変更したことを報告し、正式に運営が引き継がれた。

また、アプリ起動時に表示されるタイトル画面のCraft Eggのロゴ、Craft Eggに関するボイスなども2月中のアップデートにて対応を予定。プレイヤーやファンからは「お疲れ様でした」「さみしい」とのコメントや投稿が寄せられていた。

なお、CraftEgg社を巡っては、親会社であるサイバーエージェントが同社を解散とする決議を行っていたことが直近に公表された決算資料にて明らかになっており、一連の移管はこちらが主な要因となっているようだ。

移管直後に隣岸でのサービス終了…不安要素がまた一つ

こうして無事に運営移管が完了し、プロジェクトとのより密接な展開への期待と、今後への不安が高まっていた1月下旬、ブシロードが運営するスマートフォン向けゲーム「ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル2 MIRACLE LIVE!」の今年度中のサービス終了という重大発表がが舞い込む。

「ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル2 MIRACLE LIVE!(スクフェス2)」は『ラブライブ!』シリーズ初のリズムゲームとして2013年にリリースされた「スクフェス」のサービス終了を受けて制作された事実上の“後継タイトル”として2023年4月15日にサービスを開始。「ラブライブ!の全楽曲を収録」と銘打ち大々的に展開してきたものの、本年3月31日をもってサービスを終了する予定であることが明らかに。1年経たずでの撤退となった。

こうした「運営移管」「同社タイトルのサ終」という大きな動きが起こった中、さらに追い打ちをかけるかのごとく「ガルパ」での問題として、1月31日からはじまったゲーム内イベント「君と紡ぐ、バレンタイン前奏曲」でイベントストーリーが用意されていないという、通年にはない対応が行われたことでさらなる今後の運営を心配する声が相次いでいた。なお、今後については「2024年3月の7周年前後の時期に、今後の展開を発表できる範囲でお伝えできればと考えております。」との発表がプロデューサーレターにて行われている。

“自社IP注力”のブシロード、短命連発は

スクフェス2を巡る出来事がある一方、自社IPであるバンドリ!については「ガルパへの3Dライブの拡充」や「MyGO!!!!!等の新バンド展開」「2025年の新作TVアニメ放送」など多数の展開が行われているほか、昨年にはモバイルゲームブランド「ブシモ」を「ブシロードゲームズ」へと改め、コンソールタイトルのパブリッシングも開始していた。これらの動きから、同社は「自社IPへの注力投資」は後も加速することが見受けられる。

後日、ブシロードの代表である木谷高明氏はスクフェス2のサービス終了について「大変不甲斐ない結果となり申し訳有りませんでした。」と自身のXにて謝罪し、今後の展開については「今後も色んな形でラブライブプロジェクトに貢献したいと思いますので何卒よろしくお願いします」とコメントした。同社が全体管理を行わない「他社IP(知的財産)」も大事にしていきたい意向を示していた。

直近数年間のモバイルゲーム業界を俯瞰してみると、「原神」のHoYoverseや「ブルーアカイブ」のYostarなど海外資本のパブリッシャーが頭角を示す一方、国内パブリッシャーは「モンスト」に代表される”御長寿タイトル”と1~3年でサービス終了を余儀なくされる”短命タイトル”に二分されている印象だ。

2023年のモバイルゲーム収益ランキングと成長量

特に後者の”短命タイトル”が連発するような状況はプレイヤーの課金意欲低下に繋がり、負の連鎖が加速することが一般に云われている。加えてメディアミックス作品の場合、プロモーションを始めとした継続的な投資が必要である上に、”鳴かず飛ばず”終いになるものも少なくない。だからこそ、コンソール向け、スマホ向け問わず、ゲームタイトルの安定的な運営はパブリッシャー全体の”今後の命運”を大きく左右しうる要素になっている。

オタク総研編集部

著者 オタク総研編集部
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