都教育委員会、刊行物に「イラスト生成AI」積極活用か 都政でも”AI活用”を全局で推進へ


アイキャッチ画像

東京都教育委員会が刊行したパンフレットが生成AI活用しているとして話題になっている。

話題となったのはTwitterに投稿されたパンフレットの写真。このパンフレットは7月10日に東京都教育委員会が発表した都立高校進学キャンペーン「#だから都立高(PROJECT TORITSU)」のプロモーションの一貫として作成されたもので、投稿者によると学校で配布されたとのこと。いずれのパンフレットにも、キャンペーンキャッチコピーとともに男子学生と女子学生のイラストが描かれているのが伺える。

 

実際の画像は上記ツイートを参照していただきたいが、パンフレット表示自体には「生成AIを活用した」とは書かれていないが、イラスト制作者のクレジット表記が無かったり、画像1枚目の女子高生の右腕の位置が異様に下になっていたりしていることから、生成AIで作成されたものである可能性が高いことが見て取れる。

この投稿に対しTwitterでは「生成AIかどうかの見分けがつかないレベル」「費用削減につながるのでは」と評価する声がある一方、以前より論争の種となっている権利問題や「スキルアップ推進校をPRする物に生成AIは如何なものか」といった意見も見られ、賛否両論に。

なお、今回の「#だから都立高」キャンペーンはWebサイトによる情報配信が主で、今回投稿されたパンフレット全体のPDFデータなどは公式サイトから得ることは現在できないこともあり、AI利用の可否について教育委からのコメントは特段ない。

しかしながら、東京都は「ChatGPT」をはじめとした、生成AIの利用を都政改革の一環として積極的に推進することを発表。本年8月をめどに「生成AI利用のガイドラインを策定する」ことと「都政全局での活用を目指す」ことを合わせて公表していた。

また、「#シン・トセイ」と題した都政の構造改革推進チームは8月の全局活用開始に向けた“東京都の今”を公式noteにて紹介しており、今回のパンフレットについてもこうした都の推進計画に則って試験的に利用されたものであることが推測される。

「何に使う?どう使う?「生成AI」活用に向けた“東京都の今”」より

生成AIの中でも「イラスト生成・画像生成」分野については、権利問題や倫理問題が断続的にSNSやネット上で話題になるなど、ChatGPT等の「テキスト生成」分野に比べ意見の分断や論争が起きやすいことで知られている。今後、生成AIを積極的に活用する意向を示す都からどのようなガイドラインが発せられるのか、注目が高まる。

オタク総研編集部

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