”生成者に収益を還元”新たなAIイラストサービスに各方面から厳しい声。AI絵師も「これはちょっと…」


アイキャッチ画像

株式会社シアンが5月に提供を開始した新たなイラストコミュニケーションサービス「petapi(ペタピ)」β版について、SNS上では各方面から厳しい声が相次いでいる。

「petapi」とは、AIを用いて作成した画像をはじめ、動画やプロンプト、テキスト、音声など様々なコンテンツを投稿できるサービスとして現在β版にて提供をスタート。「今までに無い革新的な機能」と題して、LoRAモデル作成者・プロンプト作成者にも収益を還元する仕組みを兼ね備えた、世界初のイラストサービスと銘打っている。

同社のリリースによると、〈現在、LoRAモデルや新たなプロンプトを作成し公開してもマネタイズに繋げることが難しい状況にある。そこで、petapiでは、LoRAモデルの販売、LoRAモデルを使用した2次創作で上がった売上の一部をモデル作成者に還元する仕組みを作った〉とのことで、プロンプトも売買することができる仕組みとともに、生成者のマネタイズを支援することに重きをおいているという。

これにはTwitterを始めとしたSNS上で各所から非難の声が相次いでおり、フリー編集者の平泉康児さんは「比喩でなくこれは泥棒でしかない」とツイートにて提起。

「生成者への還元よりも大事なことがあるだろう」という旨の意見が相次いでいるほか、フォロワー50万人を超える人気イラストレーターの方もこの提起に続く形で「さすがにダメ…」といった声も。さらに、生成AIを用いてイラスト作成を楽しむ”AI絵師”と呼ばれる界隈の一部からも「遊んでいる側からしてもこれはどうなの?」といった疑問を投げかけるような投稿が見られている。

このサービスのリリースの背景にはここ数ヶ月、断続的に発生したファンコミュニティプラットフォームやイラストサービスにおける「生成AIの制限や禁止」があると発表資料から推察され、PixivやFanbox、Fantia等での支援を受けることができなくなった”AI絵師”たちの受け皿になるサービスになりうる可能性も。

運営会社発表のプレスリリースより(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000056.000057964.html)

生成AIとマネタイズについては本年初頭より議論が加熱しており、イラストコミッションサービスのSkebはいち早く「生成AIの依頼受託を禁止」しているなど、規制の流れが見られている。生成AIは著作権や創作活動における問題は勿論のこと、マネタイズプラットフォームを提供する場合「架空依頼を悪用したマネーロンダリング行為(資金洗浄)の幇助」というリスクも孕んでおり、今後の動向に注目される。

【関連記事】Skeb、AI生成イラストを検出するAIの導入を発表