〈体験〉一見普通の腕時計、でも中にイヤホン入ってます。斬新すぎる一人二役のスマートウォッチ「HUAWEI WATCH buds」
ファーウェイ・ジャパンは24日に開催したフラグシップ新製品発表会にて「HUAWEI WATCH」シリーズの最新モデルを始めとしたウェアラブルデバイス5製品を発表した。本記事では新製品の数々の中で特に異彩を放っていた「HUAWEI WATCH Buds」をレポートする。
「HUAWEI WATCH Buds」を一言で表すなら、タイトルにもある通りワイヤレスイヤホン一体型スマートウォッチだ。正確に言うと先日新たに発表されたという訳ではなく、本年3月にクラウドファンディングによる応援購入が先んじて行われており、そちらにて想定を上回る需要があったことで、このたび正式販売が実現した。
ファーウェイは3月の発表時に「この製品は革新的技術の研究を続け、これまで蓄積してきた技術の集大成と位置づけている」とコメントしており、小型化した高性能の完全ワイヤレスイヤホンを最先端の製造プロセスで一体化させた、という決してお遊びではないマジメな製品だ。
盤面を開けるとイヤホン登場
それでは早速製品をチェックしていこう。一体型ということでまずは本体であるスマートウォッチ部分から。
スマートウォッチであるため物理盤面ではなく、1.43インチのAMOLEDディスプレイが搭載されており、表面のガラスは側面が湾曲になっている一般的なスマートウォッチと同様。ケースボタンとリューズには700個以上のピラミッド形状の鋲があしらわれており、高級感ある作りに仕上がっているという。ベルトはフルグレインレザー製のカーキ一色展開となっている。
実際に着用してみてまず思ったのが、中にイヤホンを収納できるとは思えないほど”普通”であったこと。他社製品や同日発表された最高級モデル「HUAWEI WATCH Ultimate」と比べ、本体の厚さは最薄部で14.99mmとやはり気持ち厚めではあるものの、イヤホンが入っているというバイアスがかかっていることもあるせいか、変わった印象はあまりない。
重量も66gとのことで同じく同社の最高級モデルよりも軽く、普段腕時計を付けている方なら特に気に障ることはないだろう。
カチッと押して開閉
それでは「HUAWEI WATCH Buds」の醍醐味であるイヤホンの収納機構について見てみる。スマートウォッチ本体の下部にある物理押しボタンを押すとディスプレイ部分がパカッと開くようになっており、ボタンの押し圧力は重めになっているため勝手に空いたり意図に反して空いたりはしないと感じた。
中の収納部分はマグネットが組み込まれており、開けた際にはイヤホンが上部に張り付く様になっていた。マグネット強度については少し重めで取り外しやすいと言われればそうでもないが、小さく軽い(後述)ため風に吹き飛ばされる位なら我慢できる程度。
イヤホンは左右自動判定式
続いてはイヤホンについてクローズアップ。イヤホンの形状をご覧になれば分かる通り、通常のTWS(完全ワイヤレスイヤホン)とはことなり左右という概念がない。イヤホンを着用した際に、センサによって左右を認識するという自動左右判定方式になっている。
本体重量は4gとAirPodsと同等だが、限られたスペースに収納するという制約の都合上、銃弾のような形になっていることから落としたら探すのが難しそうと感じた。なお、写真では分かりづらいが、本体は8角形であるため過度な転がりを防ぐ仕組みになっている。装着方法はカナル式となっており、S,M,Lの専用イヤーピースも付属品として同梱している。
…と形状について述べたが、イヤホンの最も重要な要素である音質については小型ながらも一番的な単体イヤホンと遜色ないものであった。イヤホン内部には4つのマグネットと平面振動板ドライバーが搭載されているとのことで、デモ音源で体験した限りでは1.5万円〜2万円のイヤホンと同等程度の高品質なものだった。(こちらは筆者の個人的趣向によるが小型である以上やはり低音域が少し弱めという印象を受けた)
バッテリー面については長時間使ったわけではないため、公式発表による数値での紹介になるがノイキャンOFF時で4時間と一般的(or少し短い)。充電はケースでもあるスマートウォッチにて行い、イヤホン充電残量が表示できる専用の文字盤も用意されている。
通常製品と遜色ない機能性
機能性についても一般的なイヤホンと同等の機能を有しており、アクティブノイズキャンセリングを搭載。再生停止などのジェスチャーコントロールについては本体タッチの反応だけでなく、耳の周りを触ることで反応するため、小型だから操作性に劣るという点を克服しているのではないかと感じた。
加えて本製品ならではの機能として、接続しているスマホに電話着信が来た際にスマートウォッチに通知が行くことに加え、イヤホンを取り出して耳に着けたら自動的に受電することが出来る機能があり、スマートな通話の開始をサポートしてくれるという。
以上、簡単ではあるがイヤホン一体型スマートウォッチ「HUAWEI WATCH Buds」を紹介した。長時間触ることが出来なかったため、長期間使用する上で見えてくるメリット・デメリットなどをお伝えすることはできていないものの、冒頭で紹介した「これまで蓄積してきた技術の集大成」を体現できる製品であると分かった。
価格についても71,280円(Amazon価格:64,000円)と決して安いものではないが、イヤホンのケースを持ち歩かないで良かったり一体化するという「変態感」に惹かれたりした方にはピッタリの製品であること間違いない。