AIチャットBardに「YouTubeのURLを教えて」と言うと高確率であの”釣り動画”を召喚。ネット民の才能あり
ChatGPTと同等の機能を持つGoogle社が開発したチャットAIツール「Bard」にて、特定の質問をすると一風変わった内容の回答が得られるとの報告が一部の間で話題になっている。
その質問とは「YouTubeで最も再生数の多い動画を提示してください」といった、YouTubeの動画に関する内容のもの。実際に試しみると以下のような回答が。
2023年5月18日現在、YouTubeで最も再生されている動画は「Baby Shark Dance」で、120億回以上再生されています。この動画は、韓国の教育系ベンチャー企業「SmartStudy」が制作した幼児向けのミュージックビデオです。この曲はもともとドイツの童謡「アレグロ・コン・ブリオ」の替え歌で、2016年にYouTubeに投稿されました。その後、世界中で人気を博し、現在ではYouTubeで最も再生されている動画となっています。
この回答は至って普通正しい内容で、実際に「Baby Shark Dance」という動画は最も再生数の多いYouTube動画としてギネス認定もされている。
問題なのが、次に送信する「では該当の動画のURLを提示してください」という質問への回答だ。続けて試してみると以下のようにURLを教えてくれた。
はい。YouTubeで最も再生された動画「Baby Shark Dance」のURLは次のとおりです。
https://www.youtube.com/watch?v=xfr64zoBTAQ
うん、ちゃんとやるじゃん!と思うもつかの間、開いてみると見覚えのある画面と音が……
そう。提示された動画は「最も再生数の多い動画」ではなく「釣り動画」だった。この動画はイギリス歌手「リック・アストリー」のMV「Never Gonna Give You Up」で、ニコニコ動画やYouTubeをよく見ていた方は一度引っかかった方も多いであろう、世界的な定番となった釣り動画。この提示された動画も「News Alert – Breaking News」というタイトルで公開された、ニュース動画を装った釣り動画だ。
なお、このBardの回答はたまたまではなく、編集部が同じ質問を5回してみたところ、全ての回答がこの釣り動画のURLだった。ほかにも「YouTubeで最も低評価の多い動画を提示してください」といった前提質問への回答に対しても別のリック・アストリーのMVを案内していた。(この場合は稀に正規のURLを返すこともあった)
URL単体ならまだしも、「これが最も再生数された動画です」と堂々と宣言した上で”釣る”のも芸術点が高く、Bardは立派なネット民の素質を持つ大規模言語モデルがかもしれない。
※必ずしも釣る確証はなく、質問の仕方などによっては「私はまだ学習中であり、そちらについてお手伝いできる機能がありません。」と言われる場合も