〈解説〉10期連続増益のカプコン、旧作タイトル販売も注力「値下げセール連発しても大丈夫なのか?」についても言及
ゲーム開発やアミューズメント・モバイルコンテンツ事業を手掛けるカプコンは昨日10日、自社の2023年3月期における通期決算を公表。過去最高益を更新し10期連続の増益(営業利益)であったことがが明らかとなった。
中核事業となる、コンシューマゲームタイトルのデジタルコンテンツ事業においては主力シリーズの大型新作である『バイオハザード RE:4』および『モンスターハンターライズ:サンブレイク』の投入や、デジタル販売を通じたリピートタイトルの積極的な販売推進に寄与したと説明。
そんな絶好調のカプコンだが、タイトルにもある通り同事業において「旧作タイトルの積極的な販売」を推進していることで人気作を中心に本数が伸長している。特にお正月やお盆といった休暇を過ごす人が多くなる時期には一挙に値下げするセールを開催しており、今回のゴールデンウィークでも「CAPCOM GOLDEN WEEK SALE」と銘打ったセールを開催した。
例えば大型拡張アプデがセットになった『モンスターハンターライズ + サンブレイク ダブルデラックスセット』が29%OFFの4,962円や、PS4『バイオハザード 4』が79%OFFの770円など。これらの施策については個人投資家からも評価されている一方で「利益面での影響はないのか?」といった意見もみられたといい、本年3月には質疑応答にてカプコン側が以下のように回答した。
Q. 昨今の好業績は、旧作を積極的に値下げして販売本数を拡大していることによるものだと思いますが、値下げによって利益が圧縮されるデメリットはないのでしょうか。
A.ゲームソフトのデジタル販売では、パッケージや説明書、ディスクの製造などによる原価がほぼ発生しません。そのため、仮に 7,000円で発売を開始したものであっても、開発コストの償却後であれば、1,000円で販売しても十分な利益が得られます。デジタルで販売する商品を充実させ、ユーザーの皆様に幅広い価格帯でコンテンツを提供することで、様々なユーザー属性、幅広い国・地域で購入いただける環境は、当社にとって大きな機会だと考えています。(原文ママ)
同社は昨日の決算発表にて今後(2024年3月期)は新作タイトル『ストリートファイター6』や新規ブランド『エグゾプライマル』の投入など材料にコンシューマ販売本数を過去最多の4,500万本を目標に掲げており、新作タイトルと合わせた旧作タイトルの伸長による「11期連続増益」へ期待される。
Source:https://www.capcom.co.jp/ir/data/pdf/explanation/2023/full/explanation_2023_full_09.pdf