続くAI大革命…イラストをベクター画像(線画データ)に変換する無料AIツールが高精度で凄い
ここ数ヶ月のAIの進展は凄まじく、毎日のように新たな魅力的なプロダクトが公開され世間をざわつかせているのはもはや言うまでもない。そんな中、最近よく耳にする音声AIやテキストAIとはまた違ったアプローチのAIツールが話題になっている。
それは通常の画像をラスター画像に高精度で変換してくれる「Vectorizer.AI」というもので、現在無料で利用することができる。
ベクター画像とは、フォントと同様に座標や数式で保存されており、それをもとに描画をするため、ラスター形式と呼ばれる通常のPNGやJPEGなどとは異なり「ぼけ」が生じず(理論上)無限に拡大することができることが特徴だ。本サービスはそんなベクター画像をAIを活用することでノイズやボケが含まれる低画質画像からでも生成することができるという。
今回は同じくAIを活用したキャラクターアイコン生成サービス「Waifulab」にて作成した画像(400px×400px)を用いて試してみた。利用方法はツールのトップページで画像を選択するだけ。あとは自動でAIが画像を解析してベクター画像を作成する。所要時間は上記の場合だと5秒〜10秒程度。
生成されたデータはそのままプレビューできるほか、Web向けのベクター画像フォーマットであるSVGへ制限なしに出力できる。実際に生成されたベクター画像と元画像を比較してみると、目の部分の輪郭検出がうまくいってない部分を除いてほぼ完璧と言っていいほどの精度。髪の反射や濃淡の表現についてもベクターに変換されており、抽象的に仕上がっている。
なお、出力されたSVGファイルの中身を見てみるとカラーデータと座標データが格納されており、Illustratorで直接読み込むこともできる。書き出し形式はSVGの他にもPNGなどのラスター形式にも対応しており、アップスケーリング出力が可能となっている。
このように「Vectorizer.AI」を使えば表現方法は違えど事実上の高解像度化を実現することができ、マシンスペックの都合で低画質でしか生成できなかったAIイラストへの活用に加え、アニメ・マンガ制作といった現場への応用も十分期待できるクオリティとなっていた。無料で利用できるのでぜひお試しあれ。(Free while in Beta.となっているので尚更今のうちに。)