〈解説〉ChatGPTをLINEで使えるサービスが10日で利用者50万人を突破…半日でリリースに至る速さと簡便さが功を奏す
今話題のChatGPTがLINEで使えるサービス「AIチャットくん」がリリースされてわずか10日で利用者が50万人を突破したことを提供元の株式会社piconが発表した。AI技術の進化のスピードに驚かされると同時に、サービスを開発した会社のスピード感にも注目が集まっている。
ChatGPTとはOpenAI社が開発した会話形式でやり取りすることができる人工知能チャットボット。質問に答えるだけではなく、質問の前提に基づいた応答と高精度さが話題になりリリース数日でアクティブユーザーが1億人を超える爆発的な普及を見せている。
そんな世界を震撼させているChatGPTだが、3月2日に同サービスの”API”が開発者向けに公開された。APIとは他者が提供するサービスを自身の開発したシステムに組み込むことができるもので、今回のChatGPT APIが提供されてことにより、公式サイトでしか利用できなかったチャット機能の外部アプリへの活用が可能になった。さらにこのAPIの特徴に「従来のOpenAIに用意されていた文章生成AIのAPIよりも安価である」ことと「高速なレスポンス（応答）」が挙げられることも加わり、現在急速な開発者による活用が進んでいる。
そして今回の主題である「AIチャットくん」はそのAPIをいち早く活用し、実用化にすすめたサービスの一つ。APIが公開してから本サービスが提供開始されるまでの期間はなんと半日。さらに、サービス開発に当たってもChatGPTをフル活用しており、開発に要した人数はたった1人というストーリーも話題になった。
結果として「LINEで友だち登録するだけで使える」というコンセプトが功を奏し、現在は学生・主婦（夫）からシニアまで幅広い層に利用されているといい、リリースから10日で登録者数が50万人・総メッセージ数は600万回を突破するに至った。
実際にサービスを利用したユーザーからは「LINEに慣れ親しんだ日本人的にはこの形がめちゃくちゃ使いやすい……！」「小学校の息子も使いこなせるようになりました。」という意見が見られ、簡単に利用することができる点が特に好評であったという。利用料金は、毎日5通まで無料。月額980円のプレミアムプランに加入することで無制限のチャットが可能とのこと。
今回の「AIチャットくん」の幅広い層への普及は簡便さと提供開始まで半日というスピード感あってのものは言うまでもない。今後、「LINEという日本人が慣れ親しんだプラットフォームで世界最先端のAI技術を体験できる」というコンセプトでAIをより身近な存在にしてくことの手助けになることが期待される。
