シリコンバレー銀行破綻はゲーム業界に影響する？Unityは最小限の影響か

2023年3月10日、シリコンバレー銀行(SVB)がカリフォルニア州の金融監視機関によって閉鎖され、破綻したことが報じられた。SVBは、スタートアップ企業向けの融資を積極的に行う金融機関として知られ、ベンチャーキャピタル企業にも金融サービスを提供していた。破綻を受け連邦預金保険公社（FDIC）かSVBの破産管財人となり資産処分が行われる見通しで、2008年のリーマンショック以降最大の米銀行破綻と報道されている。

【共同通信】シリコンバレー銀行が破綻　28兆円、米史上2番目の規模

今回のシリコンバレー銀行の破綻はテクノロジー業界に激震をもたらし広範に影響していくのではないかとの心配の声が見受けられる中、ゲーム業界へも少なからず影響することが想定される。

米国サンフランシスコに本社を置くゲームエンジン開発大手のUnity Technologies(Unity Software Inc./$U)は破綻が報じられた同日3月10日、ニュースリリースを公開。Unityとは、iOSやAndroid、Xbox、PlayStationなどでも活用されている統合開発環境を備えたゲーム開発プラットフォーム。個人用途であれば無償で利用することができることから、法人だけでなくインディーゲームクリエイターにも支持されている。

リリースによると、同社の現金（及び現金同等物）のうち5%程度をSVBに預けていたとしつつ、「実際の業務への影響は最小限」であるとの見方を示していた。また、翌日3月11日に同社は「SVB口座宛への振込は今後行わないため、銀行口座の登録情報を確認してください」という旨のメールをUnityを利用している開発者向けに配信したという。

今回Unityはリリースの通り今後の影響は最小限という声明を発表しているものの、関連企業の連鎖破綻にも注意すべきだという意見が一部の米国開発者で挙がっている。

また、直接的にゲーム業界には関与しないものの、ゲーム情報も取り扱うアメリカのニュースネットワーク「The Verge」を運営するVox Media社はSVBに「多額の」資金を保有しているとの関係者の証言がNew York Timesに掲載されていると米メディアは報じており、こちらも併せて今後の動向に注視する必要がある。

【引用リリース】Unity Issues Statement Regarding the Events Surrounding Silicon Valley Bank(March 10, 2023)

SAN FRANCISCO–(BUSINESS WIRE)– Unity Software Inc. (NYSE: U), the world’s leading platform for creating and growing real-time 3D (RT3D) content, is providing the following statement regarding the events surrounding Silicon Valley Bank:

“As Silicon Valley Bank (SVB) has been placed under receivership with the Federal Deposit Insurance Corp (FDIC), Unity is disclosing that less than 5% of our cash and cash equivalents are with SVB, not including any FDIC-insured amounts, and we expect minimal impact on our operations.”