『原神』累計収益が2年で1200億円『ブルアカ』260億円…外資ゲームの急成長に注目
近年、日本のスマートフォンゲーム市場において外国資本によるゲームタイトルの成長が著しいことは言うまでもい。そこで、今回は中でも特にユーザーの心をつかんでいる『原神』と『ブルーアーカイブ』の2タイトルを調査会社のSensorTowerの調査結果とともに紹介する。
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まずは『原神』。本タイトルはスマートフォン向けオープンワールドRPGとして2020年にリリースされ、現在はPCやPlayStation 4/5等の各種コンソール機でも遊べるようになっている大人気作品。リリースからわずか2年4ヵ月で日本市場累計収益が10億ドル(≒1200億円)を突破したことがSensorTowerのデータによって明らかとなっている。なお、2022年の日本市場における月間平均収益は、3,500万ドル近くだったという。
同データによると、モバイル版『原神』のリリースから2023年1月までのシェアは収益・ダウンロード数ともトップは中国であるものの、日本は収益面で中国に次ぐ2位となっており非常に大きな役割を担っている。
そんな本タイトルの開発元は多くの方が御存知の通り、中国に本拠地を置くMiHoYo。そんな中国資本のスマホゲームだが、近年中国当局によるゲームやアニメの表現規制を巡って2021年下半期以降、より一層厳しい表現規制措置を講じる恐れがあるという報道も見受けられる。
これらの問題に対し、MiHoYoは2022年1月初頭にそれらの規制にも対応できるよう、日本やアメリカ等海外市場へのアプリ提供をシンガポールに設立された法人「COGNOSPHERE PTE. LTD.」に切り替えた。シンガポールに”支社”を置くことで日本国内で配信するルートを確保しているのではないかとの見方もできる。
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もう一つ紹介するタイトルは『ブルーアーカイブ』。こちらは日本では2021年にリリースされ、先月には2周年を迎えたスマートフォン向けゲームで、ここ直近1年盛り上がりに富んでいるタイトルとなっている。
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本作は韓国企業である「NEXON」が開発を、「Yostar」が日本におけるローカライズを担当しており、日本は全体収益の70%以上を占めるという圧倒的なシェアを誇っている。
先程と同じくSensorTowerのデータによるとリリースから2023年1月までの世界における累計収益は2.4億ドル(≒260億円)以上であることが先日Twitterにて話題になっており、2周年となった先月はTVアニメ化の発表やオフラインイベントなどが行われたことにより、2023年1月は過去最高の収益を記録した。
プレイヤーであれば真に実感することと思われるが、『ブルーアーカイブ』の人気はローカライズを担当するパブリッシャー「Yostar」が非常に大きく寄与しており、手厚いユーザーサポートやコンスタントな公式供給が人気の秘訣として挙げられる。Yostarの日本市場における収益シェアを見ると、『ブルーアーカイブは』約30%で2位となっている。
これらのことから外資の影響力は日に日に強くなっている一方で、日本企業も負けじと頑張っていることが伺え、SEGAの「プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク」は音楽/リズムジャンルの2022年収益で世界1位を記録している。今後は国内だけでなく国外のゲームパブリッシャーも注視していく必要があるだろう。