『クレヨンしんちゃん』インドで躍進 新作映画は全土で吹替上映――テレ朝報告
テレビ朝日ホールディングスは11日、25年度上半期の業績説明において、アニメ「クレヨンしんちゃん」のインド市場での展開を説明し、強化する方針を明らかにした。
2025年を「クレヨンしんちゃんインドイヤー」と位置づけ、映画2作品の劇場公開を皮切りに、現地パートナーと協力してIP価値の向上と収益機会の拡大を図る。
クレヨンしんちゃんは2006年にインドで放送を開始して以来、現地語吹き替え版で830話以上が放送され、トップクラスの視聴率を維持。2017年には主要プラットフォームで配信も開始し、同社は「インド国内での認知度を高めている」と紹介。
今年5月には『映画クレヨンしんちゃんオラたちの恐竜日記』が劇場公開され、9週間のロングヒットを記録し約40万人を動員した。続く9月には『映画クレヨンしんちゃん超華麗!灼熱のカスカベダンサーズ』が公開され、10月26日時点で約39万人を動員している。
後者はインドが舞台の作品であることから製作側の気合いも十分で、インド全国でヒンディー語、タミル語、テルグ語の吹き替え版を用意。『ONE PIECE』のゾロや『鬼滅の刃』の鬼舞辻無惨、Lohitは『呪術廻戦』の五条悟の吹替も担当したSanket Mhatre氏や、アニメアワードで最優秀声優賞を獲得したLohit Sharma氏らが声優を務めた。
また、9月に開催された日印政府公認の日本アニメイベント「MelaMelaAnimeJapan!!2025」ではブース出展を実施し、映画プレミア試写会やステージイベントを開催。監督も現地に駆けつけ、現地ファンと交流するなどの接点を拡大した。
教育面では、現地アニメ専門学校でのワークショップや小中学校向けのスクールプログラムを100校を目標に開催し、メイキング映像の上映やキャラクターの声真似などのアクティビティを実施しているという。このほか大手日系現地法人などと連携したタイアップPRを展開するなど、商業面でも繋がりを広げたい考え。
なお、インド最大級のアニメーションアワードAnimation Network Award 2025において、『映画クレヨンしんちゃんオラたちの恐竜日記』が最優秀外国語長編アニメーション映画賞を、「Shin chan」が最優秀ライセンスキャラクター賞・インターナショナル部門をそれぞれ受賞していた。
【関連取材】名作アニメ『おぼっちゃまくん』がインドでブーム→完全新作を制作!現地責任者に聞く反響と背景
https://0115765.com/archives/127675
