ホロライブのカバー、25年度上期は20%減益 ライブ好調も在庫評価減が影響 株価は年初来安値


ホロライブのカバー、25年度上期は20%減益 ライブ好調も在庫評価減が影響 株価は年初来安値

VTuberプロダクション「ホロライブプロダクション」を運営するカバー株式会社は11日、2026年3月期の第2四半期決算を発表。売上高は217億5400万円で前年同期比27.2%増と大幅な増収となったものの、営業利益は26億6600万円で同20.9%減で減益となった。

先行投資による一時的な利益率押し下げも

25年度上半期は夏季シーズンにライブイベントや「hololive OFFICIAL CARD GAME」、ゲーム共同制作案件を含む国内外でのライセンス・タイアップ案件などが好調に推移し、増益に貢献。

一方、利益については北米関税の影響や商品販売チャネル間での代替効果により「自社EC売上の成長が一時的に鈍化」したことに加え、昨年以前に生産した商品を中心とする在庫の評価減が影響した。また、物流体制の改善、海外事業開発の強化など中長期的な成長基盤の強化に向けた先行投資的な支出もあったことで、営業利益率を一時的に押し下げた。

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分野別では、ライブ・イベント分野が26億5600万円で前年同期比57.7%増と大きく伸長した。天音かなた1stソロライブコンサート『LOCK ON』や大神ミオ1stソロライブコンサート『Our Sparkle』などアリーナ規模のライブコンサートを複数開催したほか、英語圏向けVTuberグループ「ホロライブEnglish」による全体ライブ『hololive English 3rd Concert -All for One-』がニューヨークで開催され、現地におけるブランド力の強化に寄与した。

マーチャンダイジング分野も116億7800万円と同32.5%増の力強い成長を記録。またライセンス・タイアップ分野は32億4400万円で同25.7%増となった。国内では渋谷・池袋・東京・有明などで夏季休暇期間の人流を捉えたポップアップイベントを集中的に実施したほか、海外ではロサンゼルス・ドジャースとのコラボレーションイベントを2年連続で開催した。

さらに、「holo indie」にあたる自社ゲームのパブリッシング関連収益についても中小規模タイトルのみの貢献で四半期あたり2億円超を計上したといい、着実に存在感を高めつつある。

本開示を受けて、同社株価は安値1,666円をつけ、前日終値の1,907円から10%を下げ年初来安値となった。

著者 経済/社会担当
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