【レポート特集】「アイドルマスターミリオンライブ!」12thライブDAY1、新たな“主演制公演”への挑戦―北上麗花の新曲「Irodori」初披露も


【レポート特集】「アイドルマスターミリオンライブ!」12thライブDAY1、新たな“主演制公演”への挑戦―北上麗花の新曲「Irodori」初披露も
THE IDOLM@STER(TM)& (C)Bandai Namco Entertainment Inc.

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2025年10月11日(土)と12日(日)の2日間、京王アリーナ TOKYO(東京都調布市)にてライブイベント「THE IDOLM@STER MILLION LIVE! 12thLIVE」が開催された。本稿では11日に行われた「DAY1 ありのままに。」公演の模様をお届けする。(取材・文=さとうかずや/編集=編集統括 吉岡)

今回開催されたのは、バンダイナムコエンターテインメントが展開している『アイドルマスター ミリオンライブ!』をテーマにしたライブイベント。これまでも数々のライブイベントを実施してきたなか、11thライブからは特定のアイドル1人を主演に据えた“主演制公演”を展開することとなったものの、11thライブは2026年3月へと延期に。これに次ぐ12thライブが、主演制公演の皮切りとなるライブとなった(11thは後日開催)。

最初の主演は、平山笑美さん演じる北上麗花が務めることとなった。

■出演者(敬称略)
平山笑美(北上麗花役)、田所あずさ(最上静香役)、中村温姫(ロコ役)、駒形友梨(高山紗代子役)、小岩井ことり(天空橋朋花役)、渡部優衣(横山奈緒役)、野村香菜子(二階堂千鶴役)、末柄里恵(豊川風花役)、桐谷蝶々(宮尾美也役)、浜崎奈々(福田のり子役)、阿部里果(真壁瑞希役)、近藤唯(篠宮可憐役)、山口立花子(百瀬莉緒役)

開演時には、恒例になっている765プロダクションの高木順二朗社長がスクリーンに映し出され、あらためて会場に集まった“プロデューサー”(※アイドルマスターシリーズのファン)に向けて、主演制公演として行うことが伝えられた。765プロライブ劇場(シアター)の事務員である青羽美咲による注意事項なども交えつつ、そして高木社長からアイドルたちの挑戦をともに見届けようと呼びかける。

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オープニングムービーには、広がる草や木々など自然豊かな風景を映し出す映像のなかで、出演するアイドルたちがひとりずつ映し出され、最後に麗花の姿が映し出されると大歓声。こうしたなかでライブの幕を切って落とした。

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ステージにはスポットライトの光の下で、ひとりポーズを決めて立つ平山さんの姿が。注目が集まったオープニングナンバーは、麗花のソロ曲「空に手が触れる場所」。平山さんが麗花として歌うときの特有とも言える力強くも澄んだ歌声で、空に届かんばかりに高らかに歌う。その声に呼応するかのように、プロデューサーのコールも高らかに響くものに。曲の終盤では手拍子をしながら、ほかのメンバーもステージに姿を見せ、全員でポーズを決めた。

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MCパートとしてそれぞれが挨拶するなかで、中継配信では麗花の主演公演を意識したコメントが多く、麗花や麗花Pに向けたお祝いの言葉や、ともに盛り上げていくことが語られていく。そして平山さんは、麗花が時折口ずさむ独特な「さんぼ わさんぼ わさんぼん」をコール&レスポンスによって熱を高める一幕も。また衣装についても触れられ、このライブのために新たに制作されたものとし、平山さんは“花の妖精さんみたい”“もふもふ”という、淡い緑を基調として花びらのひらひらもイメージできそうなドレス風衣装で、ほかのメンバーはシルバーを基調に蝶をイメージするような、スカートに差し色でカラフルさも感じさせるもの。主演の平山さんに目を引きつつも、華やかさを感じさせる衣装となっていた。

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初っ端より765ASカバーで盛り上げ

平山さんから、この公演のセットリストには秘密があるということを示唆しつつ、麗花といえば“普通”ということもあり、“普通に”ライブを始めていく。そんな再開後に歌われたのは、「The world is all one !!」(浜崎さん、小岩井さん、中村さん、野村さん、山口さん、近藤さん)。先輩である765PRO ALLSTARS(765AS)の代表的な楽曲のひとつで、イントロが流れた段階で驚きの声があがるほど。“麗花の普通”がいきなり現れた選曲でありつつ、“仲間とならできる”ことを示す楽曲を歌う。

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続いた麗花のソロ曲「サマ☆トリ ~Summer trip~」は、平山さんと桐谷さんのデュエットによる披露。桐谷さんが美也として歌うキュートな歌声の相性の良さも感じさせつつ、手でハートを作ったりしながらかわいらしい一面ものぞかせる。この日ハッキリとしない天気ではあったが、会場内は夏の雰囲気に包まれていた。

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「ランニング・ハイッ」(渡部さん、中村さん、山口さん)は、ユニット「キャンサー」の楽曲で、オリジナル歌唱メンバーである渡部さんがけん引するように率先して間奏などで盛り上げ、ライブをさらに勢いづける楽曲を披露。さらに「春風満帆スターティング」(駒形さん、浜崎さん、田所さん、桐谷さん)は、春と花見をイメージした楽曲で、景気づけの「かんぱーい!」から始まり、青空に桜の映像を背景に陽気に歌い、ステージに彩りも加えていく。そして「Supersonic Booster!」(渡部さん、阿部さん、野村さん、平山さん)は、「MILLION THE@TER SEASON FINAL」の楽曲でライブ初披露。疾走感と爽快感の強い楽曲で、さらにテンションを上げていくステージとなっていた。

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MCパートで、これまで披露した楽曲を振り返るなか、意外性の強かった「The world is all one !!」や「サマ☆トリ ~Summer trip~」では、桐谷さんが美也と麗花がアニメで一緒にいたことに触れつつも、2人が一緒になるユニットがなかったということで、歌えたことの喜びを語る場面もあった。その後は、お題をもとに普通だと思えるものを回答し、メンバーが普通かそうではないのかをテストするコーナーも実施。回答が揃えば“ナイス普通”、そろわない方には“ナイスありのまま”の称号が与えられるというもので、「夏に食べるものといえば?」「夏祭りにある屋台といえば?」といったお題に、このとき登壇した5人の回答は揃わなかった。しかし、平山さんと桐谷さんの“サマ☆トリチーム”が両方とも同じ回答をしており、仲の良さを感じさせるものになった。そして多数派の回答を続けた中村さんが“ナイス普通”を獲得していた。

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主演のソロ曲をメンバーがカバー

ライブが再開され、まず歌われたのは「ふたり繋ぐ星座」(浜崎さん、田所さん、末柄さん)。麗花のソロ曲ではあるが、ここでは平山さんではなく3人でのカバーに。ステージ上の階段に座りながら、星空を描いた映像を背景に歌声を響かせていく。優しさや気持ちを込めていることが伝わるようで、穏やかな気持ちで聴き入ってしまうステージ。続いての「待ちぼうけのLacrima」(駒形さん、阿部さん、近藤さん)は、オリジナルはユニット「アクアリウス」による、冬をイメージさせるラブソング。3人が持つ歌唱力と表現力の豊かさが存分に発揮され、曲の世界観と描かれている感情を伝えていく。

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温度差を感じるようなイントロから始まった「リフレインキス」(野村さん、山口さん、末柄さん)は、大人の恋を描いたユニット「スコーピオ」の楽曲。そして“大人組”なアイドルを担当するメンバーによる歌唱ということもあり、刺激的な大人の恋を示すような情熱と、ひとつひとつのしぐさに色気を感じさせるステージに。特徴的な「ねぇ…しちゃう?」のセリフにも大興奮となっていた。

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ここで「piece of cake」を披露。オリジナルは麗花と北沢志保(雨宮天さん)のデュエット曲というなかで、ステージに立ったのは平山さんと田所さん。穏やかな曲調にのせて、歌の実力派2人が織りなす歌声は聴き心地もよく、耳が離せない魅力的なものに。

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MCパートで披露した楽曲を振り返るなか、「ふたり繋ぐ星座」を歌った3人が口をそろえて「責任重大だった」と話していた。ほかに、「待ちぼうけのLacrima」については阿部さんが、かねてこの曲が好きであることを公言しつつ、今年2度目(※3月に開催された「THE IDOLM@STER 765 MILLIONSTARS HOTCHPOTCH FESTIV@L!! 2」で歌唱)であったことに触れる。「piece of cake」については田所さんが、当初のセットリストにはなかったところを、志願して歌ったことを明かす。また、過去に3rdライブツアー(「THE IDOLM@STER MILLION LIVE! 3rdLIVE TOUR BELIEVE MY DRE@M!!」)幕張公演において、田所さんは雨宮さんと歌っており、違う立ち位置で振り付けも逆というなかで覚えて歌っていたという。

普通かどうかを判断するテストコーナーは、4人(阿部さん、末柄さん、田所さん、浜崎さん)の回答がそろって“ナイス普通”になったり、「やまびこコール」と題して、麗花の趣味が登山ということにちなんで、客席を3つにわけてやまびこのようにコールを返すといったことも行い、一体感を高めたところで、次のブロックへ進んだ。

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意外すぎる選曲に驚きの声も…

イントロが流れ驚きの声があがるなかで歌われたのは、「追憶のサンドグラス」(渡部さん、小岩井さん、野村さん)。オリジナルは765ASの星井美希によるソロ曲で、3人がカバーする形となり、失恋を描いた楽曲の切なさを込めながら熱く歌う。

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ここであまり聞き慣れないイントロが流れ、歌われたのは「君のままで」(近藤さん、末柄さん、平山さん)。もともとは765ASの楽曲で、2012年に発売された映像商品のアニメ「アイドルマスター5巻完全生産限定版」に同梱されている、ボーカルCD「PERFECT IDOL 03」に収録されている、意外な一曲だ。後のMCでも触れられていたが、ライブでは初めて歌われる楽曲だといい、十数年越しとも言えるライブ初披露となるなかで、どこか切なさも誘う曲を3人が歌う。驚きとともに、このライブタイトルである「ありのままに。」にも通じるような楽曲にもなっていた。

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「バトンタッチ」(駒形さん、桐谷さん)は、ミリオンライブ!のアニメにおけるTeam5thの楽曲。オリジナルの歌唱メンバーから2人が歌う形となり、ポップな曲調のなかでも言葉や周りにいる人たちの大切さを示す楽曲で、語りかけるような歌い方も相まって心が温かくなるステージに。

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ライトによって赤く染まったステージで怪しげなイントロから歌われたのは「赤い世界が消える頃」(阿部さん、小岩井さん、中村さん、近藤さん、平山さん)。ミリオンライブ!のCD&ボイスドラマキャスト投票キャンペーンにおける「学園ホラー」をテーマにした劇中劇から生まれた楽曲であり、麗花も“霊”として選出されている。場内のコンサートライトも赤一色に染まるなか、オバケをイメージするような振り付けも交えつつ、ぞくぞくとしてしまうホラー空間を作り出していた。

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MCパートでは野村さん、近藤さん、小岩井さん、駒形さんが登場し、にぎやかなトークを展開しつつ、普通かどうかを試すテストでは用意された2問を両方ともそろえた回答で、息のあった“ナイス普通”なところを見せる。また、ソーシャルゲーム版のカードとしてもあり、スマホゲーム「アイドルマスター ミリオンライブ! シアターデイズ」(ミリシタ)では、R+「無邪気な音色 北上麗花+」のセリフにちなんだ「ぷっぷかぷ~」「じゃじゃ~ん」のコール&レスポンスで場を温めつつ、最終ブロックへ。

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さとうかずや

著者 さとうかずや
本業はお堅い会社の会社員。かつてはテクノロジー&ビジネス情報メディアの硬派(自称)なIT系編集記者であったにもかかわらず、ゲームエンタメ担当としてこれまで特定のキャラにスポットをあてたゲーム記事や、キャラコンテンツのライブイベント記事を書き続け、特に「アイドルマスター」と「ラブライブ!」シリーズは、10年以上にわたってあわせて100本以上を執筆。その経験をいかして、副業ゲームエンタメライターとして寄稿も行うことに。 アイマス歴は、アーケード版ロケテスト1回目からのプレーヤー。 X(旧Twitter):https://x.com/310kazuya