ゲーム開発受託大手のトーセ、昨年の大幅損失から一転黒字転換 前期に大型プロジェクトの中止や失注が発生

ゲーム開発受託大手の株式会社トーセは9日、2025年8月期連結決算を発表。売上高は66億3600万円で前期比43.8%増、営業利益は6億8900万円と前期の5億2200万円の営業損失から黒字転換し、大幅な増益となった。当期純利益も2億5000万円で、前期の2億6000万円の純損失から黒字に転じた。
同社は前期において、一部のクライアントにおける開発方針変更により、複数の開発プロジェクトが中止や失注となったため、通期では赤字転落となっていた。
しかし、当期は前期で発生した開発トラブルによる損失影響が「一切及んでいない」こと、海外案件が本格的に立ち上がったことなどを背景に、収益性が想定を上回った。また、開発タイトルの販売に応じて分配されるレベニューシェアが一時的に増加したことも増益に寄与した。
開発種別で見てみると、家庭用ゲーム機・PC関連は、2023年以前から取り組んできた複数のプロジェクトで開発活動が最も活発なフェーズに入ったと報告。追加発注等で当初の想定を上回るボリュームとなる事例もあったことから、開発売上が大きく伸長。売上高は前期比75.1%増となった。
一方のスマートフォン関連は家庭用ゲーム機向けの新規案件を優先して対応したことから、開発売上は前期比で減収となり、売上高は12億6700万円で前期比9.4%減となった。
同社は昨年本決算時、「Switch 2」の発売に伴い新たなソフト開発需要が見込まれるとしたほか、すでに市場に浸透したプレイステーション5向けや、成長を続けるPC向けゲームの開発需要も堅調に推移すると見込んでいた。
来期予想については「これまでに進めてきた複数の主要な開発プロジェクトのうちいくつかが終盤を迎える予定であり、入れ替わりに新しい開発プロジェクトの立ち上げが重なる」としたうえで、レベシェアの減少などにより減収となる見通しを公表している。