来る2025年秋アニメ、放送延期が続出 6作品も後ろ倒しとなる背景は


来る2025年秋アニメ、放送延期が続出 6作品も後ろ倒しとなる背景は
放送延期となった『異世界マンチキン ―HP1のままで最強最速ダンジョン攻略―』©志瑞祐・青桐良・講談社/異世界マンチキン製作委員会

2025年10月クールより放送開始が予定されていたアニメのうち、公式発表により放送時期が変更(延期)となるケースが相次いでおり、制作現場に対する心配や懸念の声が挙がっている。

直近では『異世界マンチキン ―HP1のままで最強最速ダンジョン攻略―』の製作委員会が9月16日、当初アナウンスしていた2025年10月からの放送開始を「未定」に変更するとことを告知した。理由は「更なるクオリティの向上を図るため」としており、新スケジュールは決定次第あらためて案内するとしている。

同じく直近、9月22日にはライトノベルやマンガ原作の『対ありでした。~お嬢さまは格闘ゲームなんてしない~』が公式に2025年内から2026年へ放送時期を変更することを公表。案内では「関係各所とのスケジュール調整の結果」と表現され、具体的な内容は明かしていない。

白浜鴎氏原作によるTVアニメ『とんがり帽子のアトリエ』も9月6日、当初予定されていた2025年内の放送開始から「2026年」への変更を発表。理由は「より一層高いクオリティで作品の魅力をお届けできるよう」にするためとしている。また同時期の9月3日には「別冊少年マガジン」連載原作の『姫騎士は蛮族の嫁』も放送時期が2026年4月に変更され、こちらも同様に「更なるクオリティの向上を図るため」となっていふ。

少し前になるものの、8月には『こめかみっ!ガールズ』という作品が「商品開発や関連イベントを含めたプロジェクト全体の進行を精査した結果」延期に。さらに7月には『勇者刑に処す』も2026年1月クールへの変更が行われた。後者は当時第1話が「60分拡大スペシャル」になることも公表されており、編成などを加味した結果とも推察されている。

これらの延期について、理由としては「クオリティを担保するため」との説明が目立つ。視聴者サイドでは原作ファンも多いことから、応援する声や延期に寛容な声(「いつでも待つ」等)も多く見られる一方で、制作産業全体を不安視する意見も少なくない。

アニメ業界では近年、多くの作品が放送・配信され盛り上がりを見せている傍ら、制作現場の負荷増大が懸念されており、公開予定の後ろ倒しが発生したり、放送スケジュールに延期が生じたりするケースが度々発生している。今回10月クールだけで計6作品が確認され、過去と比較しても特に多い状況となっており、心配や懸念が広がっている。

著者 経済/社会担当
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