Switch 2で“キーカード”を採用したUbisoft、関係者が理由明かす コストではなく「性能上の問題」

Ubisoftが9月4日に発売したSwitch 2版「スター・ウォーズ 無法者たち」について、パッケージ版に採用された「ゲームキーカード」システムをめぐる裏話がソーシャルメディアを通して内部関係者から一部説明されており、関心を集めている。
新発売のSwitch 2ではほとんどのサードパーティタイトル(任天堂以外)がパッケージ版に「ゲームキーカード」を採用している。この方式は従来のものとは異なり、ゲームデータは保存されていない。プレイするには本体の内蔵ストレージにゲーム全体をダウンロードする必要があり、その名の通り「鍵」の役割を持つにとどまる。
そして今回の「スター・ウォーズ 無法者たち」でも同様にこの方式が採用されており、ソーシャルメディアからは「コストの問題があるのではないか」との推測がなされていた。これに対し、Ubisoftのオーディオアーキテクトを務めているRob Bantin氏が以下のように言及した。
「Snowdrop(自社エンジン)はオープンワールド環境をディスクストリーミングに大きく依存しており、Switch 2のカードでは、目指していた品質目標を満たすパフォーマンスが得られませんでした。カードの価格が話題になったことは一度もありません。おそらく、あまり意味がなかったからでしょう。」
Snowdrop relies heavily on disk streaming for its open world environments, and we found the Switch 2 cards simply didn’t give the performance we needed at the quality target we were going for. I don’t recall the cost of the cards ever entering the discussion – probably because it was moot.
— Rob Bantin 🇸🇪🏳️⚧️🏳️🌈 (@cubusaddendum.bsky.social) 2025-09-04T18:51:52.058Z
ゲームキーカード方式ではゲームデータが本体やストレージに保存されているため、高速な読み込みが可能になる。オープンワールドは特に大容量のデータを一度に必要としたり、逐次読み出したりする要件が発生しやすく、これが影響している可能性もあり得る。
任天堂も過日に行った株主総会質疑において、狙いについて「Nintendo Switch 2ではNintendo Switchよりもゲームソフトのデータ容量が大きくなることから、新たに加えたソフトウェアの販売方式の一つ」と説明していた。「ソフトメーカー様ともいろいろな点を協議しながら、ソフトメーカー様から当社プラットフォームを積極的にサポートいただけるよう努めていきたいと考えています」ともコメントした。
この方式にはそうしたメリットがある一方で、デメリットとして「任天堂側のネットワークサービスに依存するため、カード単体での物理メディアとしての長期保存が難しい」点も挙げられていた。