人気急上昇の「ラブブ」に偽造品急増 流通量が半年で2.7倍…鑑定士が警鐘 見抜くのは難しいケースも

POP MARTが展開するアートトイ「LABUBU(ラブブ)」が近年、世界的に注目を集める一方で、この人気の高まりに比例する形で偽造品の流通が急増。ファンや二次流通事業者などの間で深刻化しつつあるという。
真贋鑑定を行うファッション・コレクティブルマーケットプレイス「スニーカーダンク」の運営元が取りまとめた調査によると、自社データにおける2025年7月の「ラブブ」偽造品着荷数が同年1月と比較して約2.7倍に増加していることが判明した。
同社によると、ラブブ関連商品の月間取引数は2024年秋頃から始まり、2025年に入ると着実に増加。一方、2024年中は偽造品の着荷が確認されていなかったものの、2025年1月に初めて確認されて以降は右肩上がりに増加している。
人気沸騰の背景には、K-POPアイドルBLACKPINK・LISAなどの影響で品薄状態が加速し、二次流通市場での価格が高騰したことがある。これが偽造業者にとって格好のターゲットとなる土壌を形成したと分析される。
運営元で調査を行うの中村渉氏は「POP MART ラブブは、世界的なブームの影響で、我々が把握しているだけでも様々な販路で偽造品が流通している」と指摘。「ユーザー間でのやり取りとなるフリマアプリはもちろん、公式サイトを騙る偽サイトによる被害や、直近では入手経路や真贋が不透明な小売店、お祭りの屋台の景品などでも流通が確認されている」と警鐘を鳴らした。
同社の鑑定では、偽造品にはパッケージの印刷不鮮明さ、本体の質感や塗装の粗さといった外観的な違いが確認されたと報告。特にX線調査では、正規品には存在する「手を繋げるパーツ」が偽物には入っていないなど、肉眼では見えない構造的な違いも発見されている。
一方、前出の中村氏は「LABUBUは生産工場や製造時期による個体差もあり、偽造品を見抜くには一定の知識が求められる」とも言及。特にフリマアプリで購入する際には「出品価格が他と比べて安い」「評価やプロフィールを調べる」といった、ごく一般的なポイントにも注意を払うべきとされている。