Mastercard、ゲーム作品への検閲関与を明確に否定 決済事業者による規制報道に反論


Mastercard、ゲーム作品への検閲関与を明確に否定 決済事業者による規制報道に反論

Mastercardは現地時間の1日、同社の決済事業者がゲームプラットフォームにおいて特定のゲームや配信コンテンツの審査・制限要求を行ったとの報道に対し、「事実と異なる」と明確に否定した。

声明によれば、「マスターカードは、メディアの報道や主張に反して、いかなるゲームも評価しておらず、ゲームクリエイターのサイトやプラットフォーム上のいかなる活動にも制限を要求していない」と表明。

続けて「当社の決済ネットワークは、法の支配に基づく基準に従っています。つまり、当社のネットワークでは合法的な購入はすべて許可されています。同時に、加盟店には、Mastercardカードが違法なアダルトコンテンツを含む違法な購入に使用されないよう、適切な管理体制を整えることを求めています」とした。違法な成人向けコンテンツの購入を防ぐために加盟店に適切な管理体制を求めていると説明している。

同社が引き合いに出した報道とは、Steamやitch.ioといった大手ゲームプラットフォームにおいて、決済事業者の意向によりゲームの購入や配信を停止したというもの。

両サービスの運営は7月中旬から数千本にのぼる成人向けゲームをプラットフォーム上で削除や検索除外をしたことが話題になっており、背景には、オーストラリアの反ポルノ団体Collective Shoutによる抗議があり、決済事業者に対して「強姦、近親相姦、児童虐待をテーマとしたゲーム」の提供停止を要求したことがあるとされる。

結果、Steamは決済パートナーの基準に準拠する形でガイドライン改訂した。 開発者らや業界団体からは、これらの措置が合法的な成人向け作品にも及んだとして「金融機関によるコンテンツ統制」「検閲的な側面がある」との批判がある。

Mastercardは自社声明にて、「禁じられた購入だけを防いでおり、合法的な購入には制限は課していない」と主張するものの、プラットフォームの実態や、曖昧な「違法成人コンテンツ」の定義をめぐりさらなる議論の火種となっている。

著者 経済/社会担当
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