パソナG、万博出展で48億円の特別損失 86億円の純損失予想、パビリオンは淡路島に移設予定


パソナG、万博出展で48億円の特別損失 86億円の純損失予想、パビリオンは淡路島に移設予定

パソナグループは27日、2025年5月期連結決算において万博出展関連費用として約48億3000万円の特別損失を計上することを明らかにした。これに伴い、同期の通期連結業績予想を大幅に下方修正し、純利益は前回予想の43億円の赤字から86億5000万円の赤字に拡大する見通しとなった。

同社は2025年大阪・関西万博にパビリオン「PASONA NATUREVERSE」を出展。「鉄腕アトム」で知られる手塚プロダクションと共同制作した新キャラクター『ネオアトム』の映像放映や各種展示が披露されている。

パビリオンは大きな貝殻型のフォルムが目を引く。コンセプトに『いのち、ありがとう』を据え、会場内では「いのちの歴史ゾーン」「からだゾーン」「こころ・きずなゾーン」3つのテーマに沿ったエリアを展開。同社によると開幕以来人気を博し、これまで100万人近い来場者を集めているという。

このパビリオンは閉会後、兵庫県淡路島に移設する予定だが、臨時的に発生した費用がかさんだことで上期に25億7100万円を特別損失として計上していた。下期においても施設関連や運営関連などの臨時的な費用を精査したことで、結果として合計約48億3000万円の特別損失を計上する見込みとなった。

なお、売上高は前回予想の3200億円から3092億円に下方修正し、営業利益は17億円の黒字予想から12億5000万円の赤字に転じる見通し。人材派遣関連では前回予想に届かなかったことが影響したほか、再就職支援事業でも「就職決定期間が想定よりも伸びた」ことで前回予想に届かず、下回る見込みとなった。

2026年5月期の見通しについて、全体では「収益を改善し黒字に転換する計画」だと説明。赤字幅が縮小している「ニジゲンノモリ」などの地方創生・観光ソリューションでは「インバウンドの集客を更に強化することで、既存施設を中心に収益改善を進めてまいります」としている。通期連結業績予想は、当期決算と合わせて7月15日に発表予定。

著者 編集部 経済・社会担当
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