「次世代ゲーム機は必要なのか」質疑にソニー経営陣の回答は プレステ展開は「最優先事項」


「次世代ゲーム機は必要なのか」質疑にソニー経営陣の回答は プレステ展開は「最優先事項」

ソニーグループは6月13日、各事業分野におけるプレゼンテーション資料と説明会動画を公開。ゲーム&ネットワークサービス分野では対談形式の質疑応答が行われ、今後のPlayStationにおける次世代ゲーム機に向けた意向が言及された。

対談は英語で行われ、同社の新CEOである西野秀明氏が、スタジオビジネスグループら米国の社内関係者とともに出演。対談前半では、現在のゲーム業界がクラウドゲームやマルチプラットフォームでの展開を進めるなかで、如何に「コンソール(ゲーム機)」の価値を維持できるかという話題が挙がった。

クラウドゲームの台頭で「次世代ゲーム機」は必要なのか?SIEの回答は

これまでのゲームは「ゲーム機を買ってプレイする」スタイルが基本だったが、近年はPCゲームの台頭や、スマートフォン等モバイルデバイスの高性能化、そしてどんな環境でも遊べる「クラウドゲーミング」の登場などにより、コンソールの価値が改めて問われている。こうした状況下で、マイクロソフト傘下のXboxブランドも「Xbox Game Pass」といったサービス拡充に注力している。

西野氏は対談にて「今、次世代コンソールは必要だと思いますか?」と問われると、クラウドゲームの現状の課題と、「PS5とPS5 Proの成功」を踏まえ、「依然として多くのプレイヤーがネットワーク状況に依存しないローカル環境でのゲーム体験も求め続けている」との認識を示し、その必要性を主張した。

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「クラウドゲーミングのビジネスモデルは長期的な成長に向けた持続可能なものである必要があります」「技術的には順調に進化していますが、エンドツーエンドのネットワークの安定性は私たちがコントロールしきれない領域であり、また、従来のコンソールモデルと比較してプレイ時間あたりのコストが高いという課題もあります」

さらに「次世代機の開発は進められていますか?」と訊かれた際、西野氏はその詳細を明かさなかったものの、それらを含め同社にとって「最優先事項」であると表明した。

「次世代のコンソール戦略に対する関心も高まっています。現段階では詳細を共有することはできませんが、ブラットフォームの未来に関する取り組みは最優先事項としており、プレイヤーが私たちのコンテンツとサービスをさらに楽しむための新たな方法を探求し続けています」

質疑応答の後半では、PS専用リモートプレイヤー「PlayStation Portal」に関する戦略と、携帯型機が次世代計画の一部であるかについて問われた。西野氏は後者の質問については明確な回答を避けたものの「私たちは今後も、プレイヤーがコンテンツやサービスにアクセスする新たな方法を探究し続けていきます」と述べた。

PlayStation Portalを開発した経緯について「スマートフォンの画面は高解像度の映像を楽しむには小さすぎる」ことがあったとし、実際、Portal所有者は30%多くの時間をプレイしているとのデータにも触れ、エコシステムにも貢献しているとした。

著者 編集部 IT/デジタル担当
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