サンリオ、24年度は純利益137%増と絶好調 キティ50周年で“他キャラも人気”になる好循環…インバウンドも好機


サンリオ、24年度は純利益137%増と絶好調 キティ50周年で“他キャラも人気”になる好循環…インバウンドも好機

サンリオは13日、2025年3月期(2024年度)の連結決算を発表した。売上高は前年同期比44.9%増の1,449億円、営業利益は92.2%増の518億円、純利益は137.7%増の417億円となり、営業利益は2期連続で過去最高を更新する力強い成長を見せた。

決算の好調を牽引したのは、昨年11月から今年12月まで実施している「ハローキティ」の50周年記念施策があるとしており、ハローキティの売上総利益が大幅に増加。

さらに、周年施策をきっかけにほかのサンリオキャラクターズの認知度がグローバルで向上しているといい、特に「クロミ」「マイメロディ」「シナモロール」などの人気も同時に高まったことで「ハローキティ」への依存度は30%台半ばに留まるなど、IPビジネスの好循環も確認されている。

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国内では、物販・テーマパーク事業が国内客の増加に加え、インバウンド需要の好調継続が大きく寄与。ライセンス事業も「ハローキティ」などのキャラクター戦略により好調に推移した。また、海外ではすべての報告セグメントが伸長し、特に北米市場ではスペシャリティストア(専門店)に加え、量販店なども伸びて大幅な増収増益を達成した。

2026年3月期の業績見通しについては、売上高1,622億円(前年同期比11.9%増)、営業利益600億円(同15.8%増)を計画。前期の「ハローキティ」50周年施策による複数キャラクターのブランド価値向上を受け、「マイメロディ」50周年および「クロミ」20周年の施策が好調維持に寄与し、営業利益は2桁成長を継続する見通しだ。

また、米国の関税政策の影響については不透明であるものの、業績への影響は「限定的との前提」を示した。中長期的な成長を見据えた戦略的投資や体制強化により販管費は増加する計画となっている。

地域別では、日本はライセンス事業の牽引と物販事業の好調継続により増収増益を見込む一方、ピューロランドはパレードのリニューアルに伴う投資により減益を予想。北米では「ハローキティ」50周年をきっかけに認知度が拡大した「クロミ」や「シナモロール」の露出拡大とマーケティング投資約27億円により好調トレンドの継続を図る。アジアでは中国を中心に、物販事業では店舗網の拡大による増収増益を見込む。

著者 編集部 経済・社会担当
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