『ダンジョン飯』劇伴に特化した演奏会が開催 オーケストラと古楽器で臨場感満点なステージに


アイキャッチ画像

TVアニメ『ダンジョン飯』をテーマにした音楽イベント『TVアニメ「ダンジョン飯」〜Delicious in Concert〜』が3⽉9⽇(⽇)・⼤宮ソニックシティ ⼤ホールで開催された。イベントでは、オーケストラに古楽器(ヨーロッパ中世、ルネサンス期の楽器)も加わった編成による演奏が行われ、アニメの印象的な場⾯を彩った楽曲の数々を披露した。

ライオス役・熊⾕健太郎さんによるアナウンスを経て迎えた開演。コンサートのオープニングを飾ったのは「魂の⾏⽅」「炎⻯」「業⽕の舞台」の3曲。美しいメロディ、ハーモニーをオーケストラの⽣演奏で体感しつつ、LEDスクリーンに映し出されたアニメの映像が展開。レッドドラゴンとの壮絶な戦闘など、物語序盤の記憶がよみがえる空間が瞬く間に作り上げられた。

0311-oa4621m7

そして3曲が披露された後、劇伴を⼿掛けた作曲家の光⽥康典さん、ライオス役・熊⾕健太郎さんがステージに登場。「古楽器の⾳をぜひ聴いていただきたいですね。⼤⼈数のオーケストラのみなさんそれぞれの演奏をじっくり観るのも楽しいと思います」と光⽥さん、「僕も客席に⾏きたいなあ。肩肘張らず⼼ゆくまでご堪能ください」と熊⾕さん。

そして指揮者・井⽥勝⼤さん、東京交響楽団のみなさん、古楽器を担当するリュート奏者・久野幹史さん、クルムホルン奏者・近藤治夫さん、ハンマーダルシマー奏者・⽥辺紀⼦さん、コーラスグループ・歌⼈三昧サマディのみなさんの紹介を経て、「賑わう冒険者たち」がスタート。幻想的でエキゾチックな響きを帯びた古楽器、瑞々しいリコーダーの⾳⾊、オーケストラの臨場感に溢れた演奏が会場の隅々にまで広がる。

クルムホルンとリュートが加わった「センシの知恵袋」の直後に鳴り響いたホルンによるジングル「上⼿に出来ました〜」は、美味しそうな湯気を⽴てるセンシの料理をイメージさせてくれた。その後、メドレーで披露された「幻想」「⼈⿂の唄」は、恍惚を誘う魔性の美しさ。そして「禍福はあざなえる縄のごとし」「挽回の兆し」「残存と滅亡の狭間」「⿊魔術」「シスルとマルシル」「狂乱の魔術師」……⼿に汗握る物語の舞台となったダンジョンに深く引き込まれる演目が続く。

穏やかな安らぎを感じる「絆の調べ」の演奏が終わってから迎えた幕間。「⼈⿂の唄」を歌いながら熊⾕さんがステージに登場するとお客さんは⼤爆笑。アニメ劇中でライオスがこの唄を歌ったシーンが思い出されました。光⽥さんによると、先ほどメドレーで披露された「幻想」「⼈⿂の唄」で熊⾕さん=ライオスに歌ってもらう構想もあったそうです。その話を聞いた熊⾕さんは「思いとどまってくださって本当に良かったです(笑)」と胸をなで下ろしていた。

0311-jpl9h2t40311-0gyx2jqb

その後、様々な楽器が担う効果⾳的な要素がイマジネーションを掻き⽴ててくれた「⼀⼈よがり」を⽪切りにスタートした後半。張りつめた空気を醸し出した「陰謀と嘘と噂」、ステージ上の全楽器が激しく躍動した「予想外の進撃」も披露されてから演奏が始まった「キメラファリン」は、迫⼒満点でした。この楽曲が劇中で流れるのは猛烈に激しい戦闘シーン。凄まじい熱がステージからまざまざと伝わってくるかのよう。

そして「ドタバタ奮闘」を経て披露されたのは「美しき故郷の踊り」。リコーダー、クルムホルン、リュート、ハンマーダルシマーの⾳⾊をじっくり体感させるような、オーケストラの各楽器をフィーチャーした展開も満載。歌⼈三昧サマディのみなさんの⼿拍⼦も加わり、穏やかなムードと共に盛り上がった本編ラストに。

アンコールの演奏が始まる前に感想を語り合った出演者。「アニメの第2期が決定したので、これからもいい曲を書いてまたコンサートを開催できるように頑張りたいと思います」(光⽥さん)。「ラスト1曲もよろしくお願いします。どうもありがとうございました︕」(熊⾕さん)

そして最後の曲「ダンジョン飯 ­メインテーマ­」が披露された。⽿を傾けていると、楽曲が使⽤された作品への愛おしさが果てしなく募るのも劇伴の⼤きな魅⼒。ライオスたちが⽴ち向かうことになる数々の試練、物語の今後への期待も⾼まる演奏に仕上がっていた。

【NIGHT公演】の模様はニコニコ⽣放送、ZAIKOにて配信されている。また、本日3⽉11⽇(⽕)21時〜は、ゲストに光⽥康典さんお迎えしてコンサート振り返る「迷宮探索ラジオ 特別編#02」も放送決定している。

著者 編集部 アニメ情報担当