「アサシン クリード」最新作、発売は3月に再延期 歴史問題、株価急落に労働スト…混乱続いていた


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フランスのゲーム開発大手・ユービーアイソフトは先日、発売を控える主力タイトル「アサシン クリード シャドウズ」の発売を再び延期すると発表した。約一ヶ月の延期により、3月中の発売を予定している。

日本語などで発表されたレターや発表文によると、今回の延期の理由について「本作の開発は発売に向けて迅速に進めておりますが、いただいたご意見を最大限実装し、より魅力的なゲーム体験を発売初日にお届けするためには、さらなる時間が必要であるという決断に至りました」と言及した。

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同作をめぐっては、昨年より混乱が続いていた。アサシン クリードシリーズ14作目として展開される本作は、16世紀の安土桃山時代の日本を舞台にしており、忍者の藤林奈緒江と、織田信長に仕えたとされる侍「弥助」二人の主人公がプレイアブルキャラとして登場するが、設定に「歴史的な検証が乏しい」などの指摘が挙がっていた。これに対し、公式は「日本の皆さまにご懸念を生じさせた」として謝罪。発売時期を11月→今年2月に変更していた。

混乱はタイトルにとどまらずユービーアイソフト社でも発生。昨年夏ごろ、新作タイトルの不振や業績低迷などで同社株式が暴落し、株主らが現経営陣に対し構造改革を求める声明を発するまでに発展した。さらに同年10月には中国ゲーム・IT大手テンセントや創業家らが同社の買収に向けた検討を開始したと報道され、近辺で株価が乱高下を見せていた。

これらの問題にかさなる形で、開発現場では「出社回帰」を義務付けたことへの反発が募ったことでフランスの業界労組が数日間のストライキの敢行を実施し、700人以上が参加していた。こうした社内外での一連の混乱が続いていたことも、今回のスケジュール延期につながった能因として考えれられる。

なお、今回の発表を受けて、1月10日のパリ証券取引所の同社株式は一時10%を超える下落を記録。近辺には最新の経営戦略も発表していたため、これらが影響したものとみられる。

著者 編集部 経済・社会担当
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