EU、今度はAppleに「AirDropのAndroid対応」迫る可能性 Type-C義務化に続く新要求が協議入り
欧州連合(EU)がアップル社に対して、iOSが持つ主要機能をAndroidなど他のプラットフォームでも利用可能にするよう求める方針を固め、協議を進めていることがわかった。
欧州委員会が今月18日に公開した文書によると、iPhoneなどのAppleデバイスで利用可能な「AirDrop」や「AirPlay」といったアップル独自の機能を他のプラットフォームに開放することを要求した。特にAirdropに関しては、第三者が同プロトコルを利用してファイル送受信を可能にするための仕様開示を求めている。
AirdropはiOSとmacOSデバイス間のファイル共有をシームレスに行う機能として浸透しているが、AndroidやWindowsでの共有は想定されていない。一方でAndroid/PC間で用いられる類似機能「クイックシェア(旧ニアバイシェア)もAppleデバイスとの相互利用性はなく、これらでも同じ対応がないとなれば不公平との意見も見られる。
また、同文書ではサードパーティー製スマートウォッチでのiOS通知機能の対応なども盛り込まれていた。EUは本件に関する協議を翌年以降も継続する予定で、アップル社や第三者からの意見も取り込むというが、上記の内容にて決定し、かつアップル社が従わない場合には多額の制裁金が科される可能性もある。
EUは近年、デジタル市場の競争力増強を図るべくビックテック企業への規制を強めており、今年3月にはDMA(デジタル市場法)を施行。関連してアップル社にも「アプリストアの開放」「サードパーティ製ブラウザでの独自レンダリングエンジンの導入許可」を行うことに影響した。
EU圏内では2025年よりスマートフォン等のデバイスの充電規格を「Type-C」にすることを義務付ける予定で、これが影響したことで、アップルは2023年から独自規格であるLightning端子を段階的に廃止する選択を取らざるを得なくなっていた。実際、同社はEU圏内でのLightning搭載端末の終売を早め、24年内に行う。