スマホゲーム開発のenish、希望退職者を大規模募集…9期連続赤字に市場環境の厳しさかさむ
株式会社enishは10日、希望退職者の募集を決定したことを発表した。主にゲーム開発と運営を手がける同社は、経営基盤の強化と事業構造の見直しを目的として、今回の施策に踏み切った。
enishは、スマートフォン向けアプリゲームの開発を中心に行う企業。現在の主力タイトルに「五等分の花嫁 五つ子ちゃんはパズルを五等分できない。」「進撃の巨人 Brave Order」など人気アニメIPを活用したものが挙げられ、直近には「ゆるキャン△ つなげるみんなのオールインワン!!」もリリースしている。
しかし、モバイルゲーム市場は競合激化をはじめ厳しい環境にさらされており、同社に限らず国内の開発専門企業は軒並み経営状況に陰りが見え、資源の再配分と事業の選択と集中を迫られている。そうしたなかで、enishは10日に希望退職者の募集を発表した。
今回は不採算部門に属する社員および関連プロジェクトの制作・運用業務を担う横断部署の社員を対象に、募集期間は12月11日から24日までで、退職日は12月31日を予定している。同社は望退職に応じる従業員に対し、会社都合の退職として特別退職金を支給するほか、可能な限り再就職支援を行う方針を示している。
発生する特別退職金等の費用については、2024年12月期第4四半期に特別損失として計上する予定。enish側はこの取り組みについて、短期的な収益改善だけでなく、中長期的な企業価値の向上を目指した戦略的施策であると強調。同社は2015年以降、9期連続で営業利益が赤字となるなど厳しい経営環境が続いており、持続的な成長基盤を構築する意向を示した。