PayPayが新CMで「青画面にして」巧みな表現でクレジット誘導 直近には自社決済促進の背景も明らかに


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QR決済サービスのPayPayが2日から開催している「超PayPay祭」において、後払い決済機能・PayPayクレジットを「青画面」と称するプロモーション手法が巧妙であると一部で注目を集めている。

現在展開中の「超PayPay祭」では、毎度開催されている決済時の還元スクラッチくじにおいて「PayPayクレジット」を使った場合に当選確率が2倍になる「スクラッチくじキャンペーン」を実施。この施策はTVCMも打たれており、PayPayのCM出演でおなじみ宮川大輔さんが登場するが、特徴的なのが映像中で一切「PayPayクレジット」の名は用いず、しきにり「青画面」をアピールしている点。通常のPayPay残高払いではコード部分が赤背景となっていることに注目し「青にして!」「赤にしないで!」とリズミカルに訴求する。

しかし、PayPayの背景を青画面にするということは当月の利用額を翌月にまとめて支払う、いわゆるクレジット決済となり、実際に赤→青にスワイプすると子会社であるPayPayカード株式会社のサイトに遷移、物理カードなしのクレジット決済の契約を求められる。

つまり、この「青画面」という表現は、後払いやクレジットといった部分に忌避感を持たせないよう、消費者に対して巧みな誘導を試みているとの指摘も。PayPayクレジットを利用することで当選確率が倍になりポイントも貯まりやすくなる一方、使いすぎや信用情報への影響を考慮すると安易な表現での誘導には違和感が持たれかねない。ちなみに、画面下部には「クレジットの契約申し込みが必要」との文言が小さいフォントで記載されているため、慎重に注視する必要がある。

PayPayは本キャンペーンで訴求している後払いのPayPayクレジットに加え「PayPayカード」と呼ばれる通常のクレジットカードも発行しており、ソフトバンクの料金プランなどとコラボレーションしたお得なサービスとして利用者獲得を図っている。同時にPayPay決済で対応していた他社クレジットカードを「締め出す」方針にも乗り出しており、自社決済への移行を強くうながしている。

他社クレカは「決済手数料>システム利用料」使われ損と言及

この動きについてPayPayは昨日5日、当初2025年1月に予定していた他社クレジットカードの利用停止の計画を再延期すると発表し、新たな利用方式を検討中であり、2025年夏以降に新たなサービスを提供する予定だと明かした。

同発表では前述のような自社決済の利用を促す理由として、他社クレカを利用した場合に「国際ブランドが定める手数料が決済システム利用料を上回っている」という経営上の課題があると説明していた。PayPayは今後の新たな利用方式において、再度クレジットカードの登録手続きを求め、場合によっては利用料の負担を求める可能性も示唆している。

著者 編集部 IT/デジタル担当
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