エイベックス、中間期のアニメ事業は「ルックバック」貢献で黒字回復 海外興収は20億円と国内並み、サブスク配信も解禁


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エイベックスは7日、2025年3月期第2四半期(中間期)の連結決算を発表。売上高は前年同期比12.8%減の561億3,100万円、営業損益は21億2,200万円の損失(前年同期は21億6,700万円の利益)となった。大型ライブの公演数減少や音楽パッケージ作品の販売低迷が影響したほか、一般経費の増加も収益を圧迫する要因となった。

そのうち、アニメ・映像事業に注目してみると、同事業の売上高は同24.7%増加し89億8,500万円と伸長。事業営業利益は4,500万円となり、1億8,700万円の損失を計上していた前年中間期比で改善が見られた。

業績回復の理由について、同社は「映画作品の興行が好調であったこと」と説明した。エイベックスでは今年6月に漫画家・藤本タツキ氏原作による劇場アニメ『ルックバック』の製作に関与しており、資料中にも本作の成功について言及した。

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読み切り漫画を原作とする本作は1時間未満という比較的短尺のなかで、技巧を凝らした表現やクリエイターにまつわるストーリーが展開されており、公開初日から3日間の興行収入ランキングで1位を獲得し話題に。

また、同社は今年8月には100万人動員を達成したことを明らかにしたほか、今回の資料では「国内興行収入は20億円超、海外においても19億円を超え上映中」と国外でも大きな反響を集めてあることをアピールした。

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これまでアジア圏と北米圏を中心に上映を行っていたが、今後はペルー、ボリビア、ウルグアイなどの南米やポーランド、ロシアなど東欧でも上映予定であるという。そして11月8日(金)からは「Amazon Prime Video」での独占見放題配信もスタート。作品がより多くの層に触れることになり、配信料などの影響も今後増えるものとみられる。

著者 編集部 アニメ情報担当