ドラクエで“死んだらお金が半分になる”理由がついに発覚! 堀井雄二氏の「優しさ」で生まれたシステム


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11月11日放送の、カズレーザーMCのトークバラエティー番組『X年後の関係者たちあのムーブメントの舞台裏』(BS-TBS)に、『ドラゴンクエスト』の生みの親である堀井雄二氏と、ドラクエシリーズの初期スタッフの一人であるゲームディレクターの中村光一氏が出演し、ドラクエの開発裏を明かした。

シリーズの第1弾が発売されたのは1986年。当時はアクションゲームがほとんどだったファミリーコンピューターにて、パソコン用ゲームとしては流行していたアドベンチャーゲームを取り入れたいと思った堀井氏と中村氏。

そこで誕生したのが「ポートピア連続殺人事件」だ。この作品はもともと、パソコン用ゲームとして話題になっていたゲーム。これをファミリーコンピューターで遊びやすいように、かつ、当時のゲームの容量である32キロバイト以内におさえて形式を変えて売り出したところ、見事にヒットした。

当時のRPG事情を汲んだ計らいだった

そして次に取り組んだのが、当時の日本ではまったくなじみがなかったというRPGジャンル。そうして、ドラゴンクエストが誕生した。この制作過程を話す中で、いまではおなじみとなっているドラクエのとあるシステムの理由が明らかとなった。

堀井氏がRPGを日本で流行らせるにあたって意識したのは、「レベルがアップしたら強くなる」とユーザーにわかってもらうこと。今でこそ当たり前すぎるこの概念だが、RPG初心者しかいなかった状態の日本ではまず、この概念を理解してもらうところから始まったのだ。

そして、これをするうえで取り入れたシステムが、モンスターにやられて死んでも、お金が半分になるだけで、ステータスはそのまま維持されること。死んだらすべてが振り出しに戻ってしまうゲームが多かった当時において、経験値がリセットされないようにしたのはRPG初心者への配慮。何度死んでもプレイヤーが強くなり続けることで、いずれはゲームがクリアできるように設定したのだ。

死んだら経験値はそのままにお金が半分になるというこの仕様は、現在のドラクエにも受け継がれ続けている。一見すると、「お金を半分にするなんて…」と意地悪にも感じられるシステムだが、むしろその逆で、堀井氏は優しさから「ペナルティーをそれだけにした」と明かすのだった。

ただその一方で、中村氏がプロデュースしたドラクエシリーズのスピンオフ作品『トルネコの大冒険 不思議のダンジョン』は、まるで逆のゲーム性。死んでしまったらすべてが一からやり直すことになるシビアなシステムが、プレイヤーを熱中させた。

当時は斬新だったシステムが今では常識になっているあたり、いかにドラゴンクエストというゲームが、日本に根付いているのかわかるというものだ。基調な秘話が多数語られた「X年後の関係者たち」は現在、民放公式テレビ配信「TVer」にて無料配信中。リメイク新作の発売とあわせて是非チェックしてほしい。

著者 神山勝丸
ドラゴンボールとドラクエ、鳥山明を愛する30代。好きなアニメはサザエさん。

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TVer:X年後の関係者たち「ドラゴンクエスト編」BS-TBS 11月11日(月)放送分