人気VTuberさくらみこ、活動7年目にして念願の“初単独ライブ”開催 ドレスを纏い喜び分かち合う【レポート】
「ホロライブ」所属の女性VTuberさくらみこが、単独1stライブ “flower fantasista!”を有明アリーナで開催した。ホロライブの0期生として今年9月に1stアルバム「flower rhapsody」をリリースしたさくらみこ。今回はこのアルバムをひっさげ、ライブのために制作されたドレス衣装の披露、ゲストタレントの出演など、盛りだくさんの内容となった。
ソロライブは初めての機会であり、35P(ファンネーム)たちにとっては積年の思いが成就した本イベント。その模様がオフィシャルレポートとして到着しているので、以下にてご紹介したい(取材・ヒガキユウカ/写真・高田 真希子/提供・カバー株式会社)
オープニングムービーは、デビュー時の動画を思わせる粋な演出。35からスタートしたカウントダウンに、ピンク色に染まった35Pライトが花を添える。割れんばかりの歓声の中、エモーショナルなイントロでスタートしたのは本人も作詞に参加した「アワーツリー」。「にゃっはろー!みこのソロライブ、みんな、いくぞー!」という力強い挨拶とともに、さくらみこが現れた。華奢な体で振り付けを踊るたび、ピンクの髪が華麗に舞う。その様子は堂々かつしなやかで、可憐さと優美さを併せ持っていた。
今ライブ中なんだけど!?なコーレスに会場一体で楽しむ開幕
「最後まで見逃すなよー!盛り上がっていくぞー!」と飛び跳ねると、アップチューン「にゃっはろーわーるど!!!」になだれこむ。雰囲気はジェットコースターのように一転し、ライブにぴったりの選曲にペンライトも加速していく。配信のコメントから生まれた「み俺誇」「み俺恥」のコーレスをふんだんに盛り込んだ楽曲で会場は最高潮に盛り上がり、さくらみこはエアギターまで披露した。
激しいナンバーを歌い終えたさくらみこは、渾身の「にゃっはろー!」で35Pに挨拶し、「35P!みこと一緒に、有明来たぞー!」と喜びを分かち合った。そして突然会場の上方を指さしたかと思えば「吊るしのみんなー!」と、天井から吊るされている(というネタの)配信視聴者にも挨拶。また「35Pのみんなもたくさん咲き誇って、最高の景色を観ましょう!みこのことを見つけてくれたぜーーーんぶの人に、みーんなに、この最高のライブを届けようね!」と呼びかけ、ファンと一緒にライブを作り上げようとする彼女らしさが現れているMCだった。
続く「DAI DAI DAI ファンタジスタ」は、ボカロP・じんが提供したもの。「人と比較しちゃう自分」というやや重めなテーマをつづりながらも、おもちゃ箱のような明るい曲調で、握った手と腰を左右に振る「大大大大……」の振り付けがとってもキュートだった。
今回、セットリストはライブ向けのコーレス曲が多かったが、なかでも35Pの声に熱がこもっていたのが「きゅんきゅんみこきゅんきゅん♡」だ。曲の序盤で、華やかな桜のドレスにロングヘア&ティアラのソロライブ衣装に早着替え。胸にハートを作る仕草やあざとい表情の「って言えって言われましたーっ!」には致死量の可愛さがつまっており、最後には「みんなー!大好きだよ~!」と特大ファンサを贈った。
その後のMCでは「え、かわいい?かわいいかなあ~!」とご満悦な表情を見せるなど、会場とのリアルのやり取りを楽しみつつ、改めて今回の新衣装を紹介。「7年前の『自分らしさがわかんない』って言ってたみこから考えると、本当にでっかくなったというか。まさかここまで来れるとはあの頃は思っていなかったけど、みんなのおかげですね!」と感慨深く語る場面も。日本の35Pはもちろん海外から駆け付けた35P、韓国や台湾のライブビューイング勢、吊るし席の面々、同時視聴中のホロライブメンバーに改めて挨拶した後には、吊るし席向けのファンサとして攻撃力抜群の投げキッスをプレゼントした。
「さくらんぼメッセージ」は、ナナホシ管弦楽団が手掛けたキャッチーなフィンガーダンスが印象的なヒロインソングだ。さくらみこは時折頬を赤らめたりウインクをしたりと、目まぐるしい気持ちの変化を表情でも表現。「1135」はライブ前にMVが公開された曲で、いきなりコーレスから始まるが35Pはさすがの瞬発力で応酬。「ポンコツ!ポンコツ!」のコーレスには「今ライブ中なんだけど!?」と本気のツッコミが飛んだ。
間髪入れずに、そのまま「Sakura Day’s」へ。ナレーション風の歌詞にはところどころライブアレンジが施され、懐かしいネットミームを思わせるユニークな振り付けも楽しい。この曲は、後に発売決定が告知されたオリジナルノベルゲーム第2弾「にゃっはろーわーるど」の主題歌でもある。
ここで、スクリーンには侵入者を知らせる警報が。突然のホラー演出によって客席後方から登場したのは、さくらみこの分身である、みこだにぇーだ。ステージではさくらみこが「イケ贄」を歌う中、みこだにぇーは35Pと戯れながら会場を練り歩く。曲調も相まってお祭りのような雰囲気の中、みこだにぇーは無事ステージに到着した。この後のMCでは二人の貴重な掛け合いや、みこだにぇーが披露した機敏なステップに思わず会場も沸いた。
秘めた心をこめた歌…星街すいせいも応援かけつけ
「みこが日頃配信では出さないけど思ってる、秘めた心をこめた歌です。普段は笑顔を届けるぞって頑張っていて、暗い愚痴とかもあんまり言わないようにしていますが、みこもみんなと一緒で人間なんです。バーチャルだけど心もある。だから傷つくような言葉とかも、こういう立場だから少なくない。でもみこは『配信で出さない』とモットーとして思っているから、曲として伝えることにしました。みこのことを大好きなみんなもそうだし、そうではない人にも向けた曲です」
……と、丁寧な曲紹介をしたうえで始まったのは「ライクとヘイト」。前述のような複雑な思いを込めた歌詞だが、そこに遊び心のあるリズム運びとコミカルなサウンドをまぜた曲調、そしてハート型の風船で浮かぶブランコというかわいらしいステージ演出を合わせたのは、「それでも、悲しい気持ちにさせたくはない」というさくらみこの心遣いのようにも感じた。