「アサクリ」延期やタイトル不振で株価急落のUbisoft、テンセント系による買収の可能性が浮上…リリース予定も雲行き怪しく
フランスの大手ゲーム会社・ユービーアイソフトが深刻な経営危機に直面しているなか、同社創業家や中国ゲーム・IT大手テンセントが同社の買収に向けた検討を開始したことが経済誌や海外の業界媒体にて報じられている。
同社をめぐっては、コンシューマ向け新作タイトル「スター・ウォーズ 無法者たち」の売上状況が芳しくなかったことなどを主要因に、本年夏頃よりユービーアイソフト株が連日10%を超える大幅な下落に直面。2014年以来の安値を記録していたことで話題になったものの、その後も下落が止まらず一時は10ユーロを割り込むほどにまで発展していた。
先月には非公開化提案も…報道機に株価は急騰
この事態に対し、一部の株主らは比較的早い段階で改善を求める書簡を提出。潜在的な価値を加味すれば、1株当たり40〜45ユーロが妥当と評価しており、現在の株価が大幅に過小評価されていると主張していた。当時に、経営改革を求めたほか、テンセントグループなどによる株式非公開化も提案していた。
現状で関係する各社からは特段のコメントはなされていないものの、報道を機に同社株は11ユーロ近辺から14ユーロまで急騰。投資家の間では好材料とも捉えられているようだ。
一方で、下落要因の一つになった「アサシン・クリード」関連については、既に延期が予定されていた「アサシン クリード シャドウズ」に続き、翌年発売の次期リメイク作についても影響が及ぶ可能性が示唆されている。専門メディア「インサイダーゲーミング」によると、同社は今後5年間で約10作品を計画しているとされ、経営不振が開発に波及する懸念が寄せられている。