インドネシア市民も「推しの子」を読む!現地書店で見た日本マンガの今 大手提携のカドカワはラノベ展開に期待感


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ライトノベル市場に「タイにも負けない」期待感…KADOKAWAの担当者に直撃

KADOKAWAの担当者に話を聞くことに。合弁会社設立の狙いについて、担当者は「インドネシアは若年層の割合が高い国です。ACGコンテンツ(アニメ・コミック・ゲームに関するコンテンツ)、特に日本IPの人気が高まっており、このたび新たに同国市場に直接進出することで、当社グループの海外売上高をさらに伸長させてまいります。」と、市場の成長性を強調した。

また、Gramediaの強みを活かした事業展開については「KADOKAWAの持つIP展開力、そしてデジタルプラットフォーム運営ノウハウと、Gramediaの持つ出版インフラとを組み合わせること」による、両社の相乗効果に期待を寄せた。

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そして、インドネシア市場におけるライトノベル(ラノベ)の可能性についても聞いてみると「Gramedia傘下の出版社が日本の漫画を翻訳出版して売っていて、インドネシアのNetflixの日本アニメも人気があるため、現地消費者は日本由来コンテンツに対するニーズがあり、漫画だけではなく、まだ数が少ないラノベの成長も期待できる見込みです」と、市場の潜在性を指摘した。

関連作品としてはすでに動き始めているといい、先日には現在TVアニメが放送中、累計発行部数500万分を超えたばかりの『時々ボソッとロシア語でデレる隣のアーリャさん』の「特装版」を同国で発売している。これについては「タイ市場に負けない注文数を誇り、市場の高さは感じています。」と教えてくれた。

インドネシアでのライトノベルの市場は、KADOKAWAも大きな期待を寄せるほど有望であることが窺える。もはや日本とインドネシアとの間に「流行のタイムロス」は殆どないと考えてもよいかもしれない。

さらに、今後の展望として、現行の日本からインドネシアにとどまらない、現地のクリエイターの作品も取り扱う可能性にも問うてみると「(現時点では)日本からインドネシアに、コミックとライトノベルの翻訳出版だけですが、今後日本以外の作品や現地クリエイターの作品の出版は今後検討をしてまいります」と展望に含みを見せた。

これは今までとは逆にインドネシアから日本にラノベ作品が輸出される大きなきっかけにもなるかもしれない。日本のライトノベルに影響されたインドネシアの作家が新しい作品を作り、それが日本にもたらされ日本人作家に多大な影響を与え……という循環の可能性も十分にあり得るだろう。

(文:澤田真一/静岡県在住。経済メディア、IT系メディア、ゲームメディア等で記事を執筆。東南アジア諸国のビジネス、文化に関する情報を頻繁に配信。)

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著者 澤田真一
静岡県在住。経済メディア、IT系メディア、ゲームメディア等で記事を執筆。東南アジア諸国のビジネス、文化に関する情報を頻繁に配信。