IOCとサウジアラビア、初の「五輪eスポーツ大会」開催を発表 12年提携で定期的な開催を模索
国際オリンピック委員会(IOC)は7月12日、サウジアラビア国内オリンピック委員会(NOC)と提携し、初となる「オリンピックeスポーツ大会」を2025年に同国で開催すると発表した。IOC理事会が五輪eスポーツ大会の設立を決定したことを受けたもので、パリ五輪周辺で行われるIOC総会で正式に決定されるという。
今回のIOCとサウジアラビアNOCの提携期間は12年間で、この間に五輪eスポーツ大会が定期的に開催されるといい、トーマス・バッハIOC会長は「サウジアラビアNOCはeスポーツ分野において類まれな専門知識を有している」として、提携によるノウハウの共有を期待した。
NOCサウジアラビアのアブドゥルアジズ・ビン・トゥルキ・アル・ファイサル王子は、この提携について「私たちの王国はプロのeスポーツの世界的な拠点となっている」として、ムハンマド皇太子兼首相の支援によるeスポーツ振興を挙げた。「人口の67%が自らをゲーマーとみなしており、フルタイムのキャリアを追求しているプロのeスポーツ選手の数は増え続けており、現在100人に達している」という。
また、サウジアラビアでは、国家戦略「ビジョン2030」を掲げる中でスポーツ全般の成長を後押ししていると説明。2018年以来、サッカー、モータースポーツ、テニス、馬術、ゴルフなど100以上の国際的なスポーツイベントを開催、260万人以上のスポーツファンを集めてきたとその実績を紹介し、eスポーツもこれに含まれているとして、国内開催の重要性も説いた。
IOCによるeスポーツを主軸とした展開は2023年に「オリンピックeスポーツウィーク2023」というイベントをシンガポールで開催、行ったライブ配信の累計視聴者は600万人にのぼり、その大半は30代以下の若年層で新規層の取り入れに成功。これを受けて、IOCのバッハ会長は昨年10月、eスポーツ委員会に「オリンピックeスポーツゲーム」の創設を検討するよう指示しており、6月に正式決定、この度サウジアラビアでの開催大枠が決定した。
IOC President Thomas Bach announces that the Executive Board has proposed the creation of 'Olympic Esports Games' to the 142nd IOC Session.
The IOC Members will vote on this proposal at the Session during the Olympic Games Paris 2024. pic.twitter.com/lIBUCxm2kK
— IOC MEDIA (@iocmedia) June 14, 2024
今回の発表を受け、今後は開催都市や会場の選定、大会の具体的な日程、採用種目、選手の資格取得プロセスなどの詳細が決定される見通し。