「史上もっとも遅れた発売」20年以上の延期を経て“ゲームボーイアドバンス向け”新作タイトルが登場 再始動の試みに英紙も関心


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イタリアのスタジオが2000年代初期に制作した「ゲームボーイアドバンス」向けのゲームタイトルが20年以上の時を経て、ついに2024年6月に発売された。先日には英・ガーディアン紙にも「史上もっとも遅れたビデオゲーム」として取り上げるなど、注目されている。

6月中旬に発売されたゲーム『Kien』は惑星「Malkut」を舞台に2人の主人公を操作して悪と戦う2DアクションRPG。当初の発表から22年遅れとなったものの、最新のハード向けに開発するのではなく、当初の計画を受け継ぎしっかりゲームボーイアドバンス(GBA)専用タイトルとして海外で展開されている。

なお、本作はレトロゲームやクラシックコンソール機に特化したIncube8 Gamesがパブリッシャーを努めており、本発表が行われた3月には開発元である「AgeOfGames」のCEO・Fabio Belsanti氏がインタビューにて22年越しに制作することの経緯を語っていた。

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幾度の苦難を乗り越え20年来に商品化

歴史学を専攻していたというベルサンティ氏は、偶然出会った仲間たちとゲーム開発に挑戦すべく、前身となるスタジオ「PMStudios」を設立。『Kien』の構想を2000年に建てて以降、ゲーム作りの経験がない技術的な問題や資金難に直面しながらも2年近くの苦闘の末にゲームを完成させたという。

しかし、ゲーム本編の完成後、一般発売に向けて3社のパブリッシャーと契約を結ぼうとするも、GBAカートリッジの製造コストや、あまりの難しさ、新規IP展開へのリスクを理由にすべてが破棄され、発売計画が頓挫。ベルサンティ氏はこれを「成功した失敗」と呼び、金銭的には大失敗だったが、自分やチームメンバーに貴重な経験をもたらしたと、当時をポジティブに振り返った。

その後、当初5人が在籍していたP.M.Studiosは閉鎖するも、同氏は現スタジオ「AgeOfGames」を設立。近年のレトロゲーム市場の活況による、古いハードウェアや貴重なソフトに対する関心の高まりを商機と捉えたのか、「Incube8 Games」のCEOにゲームデモを送付したことで、これをきっかけに販売プロジェクトが再始動。22年の時を経て『Kien』が発売されることとなったという。

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なお、本作はパブリッシャーの公式通販にて通常のパッケージ版に加えデジタル版も発売されており、後者はPCなどで起動できるゲームROMが10ドルで販売されている。また、ベルサンティ氏は発売に際し感謝を述べたほか、本作をベースとした続編新作『Kien: Astral Equilibrium』をPCとNintendo Switch向けに発売する予定だと意気込んでいた。

著者 オタク総研編集部2班