「ゼルダは主人公じゃない」の常識揺るがす『ゼルダの伝説』シリーズ最新作が9月発売 厳密には“2作目”との声も


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任天堂の新作ラインナップ発表番組「Nintendo Direct」が6月18日にオンラインで配信され、同社の人気シリーズ「ゼルダの伝説」の最新作として『ゼルダの伝説 知恵のかりもの』の展開が発表。9月26日に発売されることが決定した。

『ゼルダの伝説 知恵のかりもの』の発表パートではまず、シリーズプロデューサーを務める青沼英二氏が出演。同時に初解禁となったティザー映像はリンクが消えてゼルダが一人になってしまうシーンに始まっており、本作の主人公は「ゼルダ」であることが明らかになった。

青沼氏は続けて「見下ろし型ゼルダの当たり前を見直して、新らしい遊びに挑戦しました」と伝えた上で、ナレーションも加わった映像で紹介した。動画によると、“謎の裂け目”が生まれてしまったハイラルを舞台に、ふしぎな妖精「トリィ」と出会ったゼルダが杖を授かり、民を救う冒険に出発する…とのストーリーになっているという。

ゼルダは「トリィロッド」と呼ばれる杖を使うことでベッドや木箱、テーブルから魔物まで、あらゆるものを“借りる”事ができるといい、それらを取り出したり、魔物を味方にすることで冒険(ゲーム)を進めていく。

初代「ゼルダの伝説」に始まり、最新作「ティアーズオブザキングダム」にいたるまで、同シリーズの主人公(プレイアブルキャラクター)はリンクである一方で、ゲームに疎い方や知らない方を中心に「『ゼルダの伝説』って名前だから主人公は『ゼルダ』だろう」との誤解を持つケースも存在した。

シリーズにおいてどのような立ち位置かは不明なものの、本作の登場によって一概に「ゼルダは主人公じゃない」とも言い切れなくなり、その内容への期待とともに、多数の反響が寄せられていた。

なお、Nintendo Directの放送終了後、SNSでは「主人公=ゼルダのシリーズは厳密には2作目では」として、過去に発売された「Zelda: the Wand of Gamelon」を1作目に挙げる投稿が見受けられた。本作は1993年に日本国外で発売された、ゼルダが主人公のタイトルで、国内では「ギャメロンの杖」との俗称で呼ばれている。

しかし同作はPHILIPSとソニーの共同開発フォーマット「CD-i」専用タイトルとして展開されていたもので、その存在はほとんど知られていない。また、任天堂は開発に関与していないこと、そのクオリティに難があったことなどから「シリーズ作品とは呼べないだろう」とも云われていた。

市井

著者 市井
オタク総研媒体統括 兼 合同会社サブカル通信社執行役社長。専門領域はアニメ、テクノロジー(ガジェット)、プログラミング、コンテンツビジネス。PRプランニングやIP調達なども担当しています。新作アニメ、海外スマホ、東南アジア好き。